
角田裕毅に思わぬ援軍?!2016年F1年間王者が「私がハジャーの立場なら来季の昇格を受け入れない」と来季レッドブルのセカンドシート最有力候補の昇格プランに”物言い”
来季の去就が注目されるレッドブルの角田裕毅(25)に思わぬ“援軍”が現れた。角田と来季のシートを争うライバルとされる姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(20、フランス)に関して、2016年のF1年間王者ニコ・ロズベルグ氏(40、ドイツ)が「もし自分がハジャーの立場ならば、レッドブル昇格は受け入れない」との見解を示した。元F1レーサーらが角田を批判してきた中で、ロズベルグ氏は先のイタリアGP中にもレッドブルの側を激しく非難し、角田を“擁護”していた。
ハジャーはイタリアGPでも角田の上をいく10位入賞
イタリアGPで13位に沈んだ角田に思わぬ“援軍”が現れた。
姉妹チーム・レーシングブルズで快進撃を続けるルーキー、ハジャーが来季からレッドブルへ昇格し、角田に代わってマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)のチームメイトになる、とする情報が飛び交っている状況にF1の元年間王者が異論を唱えた。
英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.NET』が9日までに、2016年にメルセデスで年間王者を獲得したロズベルグ氏が「もし自分がハジャーの立場ならば、レッドブル昇格は受け入れない」と、驚きの見解を示したことを伝えたのだ。
「レッドブル代表のローラン・メキースから『来季から裕毅に代わって、レッドブルのセカンドドライバーを務めて欲しい』と電話がかかってきたらどうするべきか。自分がハジャーの立場だったら100%の確率で断りを入れる。その上で『私に昇格を強制するつもりですか。私を引き込むつもりですか』と反論するだろう」
ハジャーはサマーブレイク明けの初戦だった今季第15戦のオランダGPで3位に食い込み、自身初の表彰台に立つ快挙を達成した。先のイタリアGPでは、初めて公式予選1回目(Q1)敗退を喫し、決勝をピットレーンからスタートさせながら、最後尾から確実に追い上げて、角田より上の10位入賞を果たした。
再び評価を上げたハジャーを、ロズベルグ氏は、「またしても素晴らしい走りを演じた」と高く評価した上で、レッドブル昇格は、経験不足のハジャーにとって時期尚早であり、レッドブルの悪しき歴史が稀有な才能を潰しかねないと警鐘を鳴らした。
「昇格がハジャーにどれほどの危険をもたらすのかがわかるだろうか。レッドブルでキャリアを破壊されそうになったドライバーがこれまでに何人いただろうか。現時点における裕毅の状況をご存知だろうか。レーシングブルズ時代はすべてが順調だった彼のキャリアは今、レッドブルで大いなる危険にさらされていると言っていい」
実は、この考え方は、レッドブルの中で実際に持ち上がっている動きで先に英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』は「レッドブル内部で考え方に変化が起きている。それが角田の来季残留を後押しする可能性がある」と報じていた。
つまりハジャーを早急に昇格させることで、再来年にエースのフェルスタッペンがいなくなった際に「消耗してしまっている状況を避ける」という育成プラグラムで、まず来季は角田を残留させて、途中からハジャーを昇格させるというプランだ。それほど2016年から所属する絶対的エース、フェルスタッペンと比較されるセカンドシートのプレッシャーは大きく「毒入りの聖杯」と揶揄されてきた。
これまでもダニエル・リカルド(36、豪州)を皮切りにピエール・ガスリー(29、フランス)、アレクサンダー・アルボン(29、タイ)がフェルスタッペンのチームメイトになったが、いずれも合格点の結果を残せずに交代。今季はガスリーがアルピーヌ、アルボンがウィリアムズで参戦している中でリカルドは先に引退を表明した。