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レッドブル角田裕毅が来季残留への強い決意を明かす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル角田裕毅が来季残留への強い決意を明かす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

角田裕毅が強い決意を明かす!来季の残留はレッドブル内の政治力学ではなく結果でつかむ…「意図は理解しているが結果でプッシュするだけだ」

 来季の去就に注目が集まるレッドブルの角田裕毅(25)が10日までに英国のF1専門メディア『GP BLOG』の取材に応じ、姉妹チームのレーシングブルズ時代から信頼関係を築くレッドブルのローラン・メキース新代表(48、フランス)の特別扱いは望んでいないと明言した。自身かレーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(20、フランス)かの二者択一になると予想される来季のシート争いへ角田は「最終的な判断を下すのはチームだが、自分としてはプッシュし続けるだけだ」と、レッドブル内の政治的な動きではなく、19日開幕の次戦アゼルバイジャンGP以降の結果で勝ち取る決意を明かした。

  英専門メディアの直撃取材に明かす

 レッドブル残留か。それとも契約満了に伴う退団か。来季の去就がかかる今後のレースへ、角田がレッドブル内の政治的な決着に委ねるのではなく、結果と内容だけで、残留への道を切り開いていく決意を初めて明かした。
 英国のF1専門メディア『GP BLOG』による直撃取材に答えた角田は、残り8戦となった今季のレースへ向けてこう語った。
「とにかくポイントを獲得していく。それは数字として明確に表れる結果となるし、今の僕にとって最大の目標となっている。だからこそ、最終的な判断を下す彼らに対して、僕はただただプッシュし続けるだけだと思っている」
 角田はサマーブレイク中に来季の去就についてレッドブル側と協議し、残りレースの結果と内容で最終的に決める方針で合意。愛弟子であるハジャーを推しているとされるチームの重鎮で、モータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)は、決定時期に関して「9月か10月頃」と明言した。
 一方で7月からレッドブルの代表に就いたメキース氏は、レーシングブルズ代表時代から実力を評価し厚い信頼関係を築いてきた角田を支持しているとされる。
 サマーブレイク明け初戦のオランダGPでハジャーが3位に食い込み、初の表彰台に立つ快挙を達成した。同レースでは角田も9位に入賞し、連続入賞及び獲得ポイントなしだった泥沼の不振を「7戦」で食い止めた。メキース代表は2人の走りを高く評価した上で、最終的な決定へ向けてこんな言葉を残していた。
「時間は残されているが、だからと言って最終レースまで待つとは言っていない」
 さらに前戦のイタリアGP期間中には、来季のセカンドシート争いに「非常に面白いことに、チームの外では非常に盛り上がっているようだが、チーム内ではまったく議論していない」と前置きした上で次のような方針も示していた。
「最終的な決定を下すまでまだ数週間を要する。その間に私たちは可能な限りドライバーをサポートしたい。現時点では彼らにあと数レースの機会を与え、彼らが持つすべてを発揮させ、さらなる成長を求めていくのが正しい判断だと考えている」
 チームの代表を務めている以上は、あえて中立的な立場を取らなければいけない。角田は前出の『GP BLOG』でメキース氏のメッセージは十分に伝わっているとした上で、レッドブル内の政治力学に左右されずに、自身が残していく結果だけで希望する来季残留を勝ち取るとの決意を明かしたのだ。

 
「彼(メキース代表)の意図を僕は正確に理解している。だからこそ僕は与えられた現在のマシンから最大限のパフォーマンスを引き出す仕事に集中している。その結果が十分なのか、あるいは不十分なのかを判断するのは彼ら次第だ。僕はチームが与えてくれたすべての余地を現在進行形で押し広げると実感しているし、レースごとに確実に進歩できている状況を非常に嬉しく思っている」
 信頼の置ける旧知の人物が後任の代表に就いたレッドブルの人事を心から歓迎した一人が角田だった。だからと言ってメキース氏の庇護を受けるつもりも、求めるつもりもない。結果だけで生き残っていく道ないと自らに言い聞かせてきた。
 一方で思わぬ人物から厳しい指摘も受けた。
 角田がアルファタウリ(現・レーシングブルズ)でF1に初めて参戦した2021年当時に代表を務め、2023年末に勇退した後はレッドブル系チームの非常勤コンサルタントに就いているフランツ・トスト氏(69、オーストリア)の厳しいコメントを、オランダのF1専門メディア『RacingNews365』が伝えた。
「彼のキャリアの初期に、私は『裕毅、F1の世界で成功するには常に努力しなければいけない』と言ってきました。チームメイトから1秒近くもの遅れを取れば、それこそ昼も夜もパドックに行って、なぜ遅いのかがわかるまでデータを研究するものですし、今もなお裕毅をパドックに連れて行かなければならないようですね。彼には才能があるが、残念ながら欠点を補うのに十分な熱意と勤勉さを持っていないからです」
 レーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)との接触が響き、13位で2戦連続の入賞を逃した前戦のイタリアGP。公式予選Q3で10番グリッドを獲得した角田と、ポールポジションを獲得した絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのラップタイム差は0秒727だった。
 こうした状況を踏まえながら、トスト氏はあえて厳しく言及しながら角田の奮起を促したのだ。
 その去就が注目される角田の次戦は19日開幕のアゼルバイジャンGP。有言実行を果たせるのか。結果が問われる重要なレースとなる。

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