
まさかの造反劇?!「ロバーツ監督は今後も先発の声に耳を傾けよ」ドジャースのスネルが「50‐50」で交代を迷う指揮官に「7単語」で続投直訴…それが成功して米SNSで波紋
ドジャースの左腕エースのブレーク・スネル(32)が17日(日本時間18日)に本拠地で行われたフィリーズ戦に先発し、7回二死一、二塁で交代を考えてマウンドにきたデーブ・ロバーツ監督(53)に続投を直訴する“造反劇”を起こした。前日に5回までノーヒットノーランを続けていた大谷翔平(31)を交代させて逆転される采配ミスを冒していたロバーツ監督は、直訴を受け入れ、スネルはピンチを脱出。大谷に51号の援護弾も飛び出して5-0のスコアで連敗をストップした。米SNS上ではまた波紋が広がり「これからも監督は先発投手の意見に耳を傾けるべき」との厳しい意見が飛び交った。
「Please. Keep me in, I got it.(お願いだから、僕に任せてくれ。大丈夫だ)」
まさかの造反劇が起きた。
3-0のリードで迎えた7回だ。ここまでフィリーズ打線を無得点に抑えていた先発のスネルが、二死から5番のカステラノス、6番のケプラーに連続四球を与えたところで、ベンチからロバーツ監督が捕手のロートベットにマウンドへ行くように指示した。球数はすでに今季最多の107球に達していた。交代を決断してのブルペンの準備のための時間稼ぎと見られた。
続いてロバーツ監督がマウンドへ向かう。
だが指揮官が近づいてくるとスネルが何やら連続して言葉を発した。
「Please. Keep me in, I got it.(お願いだから、僕に任せてくれ。大丈夫だ)」
そう続投を直訴したという。
驚くことにロバーツ監督は、マウンド上で議論することなく、その直訴を受け入れた。ロバーツ監督がベンチに下がると場内が大拍手に包まれウェーブが起きた。
もうブルペンを出て外野の途中まで歩き始めていたベシアは、キケ・ヘルナンデスにジェスチャーでストップをかけられ苦笑いを浮かべてブルペンへ戻った。
前日に大谷翔平が5回までノーヒットノーランを続行。ベンチで体調を尋ねるロバーツ監督に大谷が「大丈夫です」と答え、暗に続投を示唆したにもかかわらず68球で降板させ、2番手のロブレスキーが4点のリードを守れず5失点の大炎上となった。指揮官の采配ミスは、メディアやファンからのバッシングを受けた。
その前日には、シュワーバー対策にオープナーで起用したパンダがいきなり53号を浴びた。ロバーツ監督の継投ミスによる負けが目立ち、SNSでは複数年契約を結んでいるロバーツの解任論まで出てくる始末。この日の続投を支持したファンの反応も無理はなかった。
「ドジャーブルー」などの映像メディアが伝えた試合後のインタビューによると、スネルは、続投直訴の理由を「ブルペン(救援の投入)でイニングを終わらせたくはなかった。ああいう状況を作ったのは自分なんだから、自分の力で切り抜けたかった」と説明した。
オフにFAでジャイアンツから5年総額1億8200万ドル(約269億3700万円)の大型契約で移籍してきた新戦力だけに、なおさらそう思ったのかもしれない。
ロバーツ監督が続投志願を受け入れ、ベシアがブルペンへ戻る姿を見て「興奮した」という。
「(監督が)信頼してくれたことは、本当に嬉しかった」
一方のロバーツ監督は、この時の心境をこう明かした。
「正直(交代か続投か)50‐50だった。普段は99.9%決断しているんだが、あの時は迷っていた。スネルの(スタミナの)タンクがどれだけ残っているかわからなかった。彼の考えを聞こうとマウンドに行ったら、彼が最後の打者はどうしても自分で抑えたいと強く主張してきた。だから信じたんだ」
スネルはそのロバーツ監督の男気采配に応えた。
続くケンプに、カウント2-2から153キロのストレートをアウトハイに投じて空振りの三振。ピンチを脱すると派手なアクションで吠えた。
ロバーツ監督もベンチで左手を突き上げていた。