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大谷翔平が深々と頭を下げてイチロー氏に挨拶。このシーンが全米に感動を呼んだ(写真・AP/アフロ)
大谷翔平が深々と頭を下げてイチロー氏に挨拶。このシーンが全米に感動を呼んだ(写真・AP/アフロ)

「なんと上品な男なんだ」…海外メディアが大谷翔平のイチロー氏への“敬意”を絶賛…「2人の友情以上に美しいものはない」

 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が3日(日本時間4日)、敵地のT―モバイル・パークで行われたマリナーズ戦で、2-2で迎えた5回に2試合連発となる勝ち越し2ランをバックスクリーン右に叩き込みチームの3連勝に貢献したが、海外メディアが注目したのは、試合前のワンシーン。マリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(49)と試合前に対面したが、その際、大谷が“レジェンド”に示した敬意の姿が、感動を呼んだ。

 「大谷はメジャーへの道を切り拓いたイチローの貢献を忘れない」

 

 2人のスーパースターの握手シーンが世界中で話題となった。
 マリナーズ戦の試合前。Tーモバイル・パークのレフト付近でルーティンの壁当てをしていた大谷は、イチロー氏が、フィールドに姿を見せてランニングを始めたのを見つけると、ライトポール付近まで走り、帽子を脱いで、お辞儀をして挨拶。イチロー氏が手袋を外して、その右手を伸ばすと大谷は両手で包み敬意を込めた握手を交わした。大谷は帽子を脱いだまま直立不動。イチロー氏はストレッチをしながら2人は1分ほど談笑。大谷は再び頭を深々と下げて練習に戻った。大谷は、マリナーズの本拠地を訪れる度にイチロー氏への挨拶を忘れないが、このわずか1分の心温まるシーンに海外メディアが注目して次々と報じた。これも異例だろう。
 MLB公式サイトは「WBCの王者同士。大谷がシリーズ開幕でイチロー氏を訪問」との見出しを取り、「イチロー・スズキ氏と大谷翔平が互いに抱く敬意は根強いもので、2人が初めて(WBC優勝の)肩書きを共有することで、その関係は、月曜日のエンゼルス対マリナーズのT―モバイル・パークでの試合前に新たな高みに達した。2人はWBCの王者だ」と記し、大谷とイチロー氏の今季初となる対面場面を伝えた。
 同サイトは2人の再会シーンを「わずか2週間前に大谷は日本を優勝へと導き、イチロー氏が牽引した2009年のチーム以来初となるタイトルを母国にもたらした。大谷は外野の芝生でイチロー氏に近づき、帽子を取ってオールスター10度選出者(のイチロー氏)の前でお辞儀をした」と紹介。
「現在のイチロー氏は、マリナーズの会長付特別補佐でメジャーリーグと3Aチームのインストラクターを務めており、本拠地での試合前の打撃練習に普段はユニホームで姿を見せる。2人はエンゼルスがやって来るとほぼいつも近況を報告しあっている」と説明した。
 また「大谷は、野球界で最高の選手としてのランクを上げ(メジャーで)最も有名な選手となった。だが、大谷が2018年にエンゼルスでメジャーデビューを果たすはるか前にイチロー氏は、米国へやって来る日本選手たちにとっての先駆者だった。2人はア・リーグで新人王とMVPを獲得している」として2人の関係と共通点を伝えた。
 その上で「大谷は、シーズン終了時にフリーエージェントとなるが、マリナーズは彼を追う多くのチームの中に含まれることが見込まれている。大谷が2017年のオフに(ポスティングで)日本のプロ野球を出た際、マリナーズは契約したエンゼルスに次ぐ評価で交渉をしたと考えられていた。シアトルのフロントオフィスは、その時と同じジェリー・ディポト編成本部長によって率いられている」とも記して、このオフに起きる大谷争奪戦にマリナーズが名乗りを上げることを示唆した。
 スポーツメディアの「ClutchPoint」は「大谷が試合前に究極の所作でイチロー氏に敬意を示す」との見出しを取り、「大谷マニアが野球界を席巻しているが、エンゼルスのスーパースター(の大谷)は、彼らにメジャーへの道を切り開く貢献を果たしたレジェンドを忘れることはない」と2人の再会シーンを伝えた。
 同メディアは、「大谷は、最高の野球選手というだけでなく、フィールド内外での行動から分かるように素晴らしい人間性も持つ」と称賛。「イチロー氏にしたように誰かに敬意を示すことは、大谷が好感を持たれる理由の一例に過ぎない。いくつかの点で大谷もまたイチロー氏のようだ。2人は日本の人々だけでなく、世界中で受け入れられ、崇拝されている」と、その立ち振る舞いを称えた。

 

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