
もうダメか?角田裕毅をメキース代表は見放していないが重鎮はハジャー昇格を前提にレーシングブルズの後釜探し?!「角田はもはや来季F1に留まるためだけに戦っている」の海外報道も
F1の今季第18戦となるシンガポールGP決勝で入賞圏外の12位に沈んだレッドブルの角田裕毅(25)の来季去就を巡りチーム内で依然として意見が分かれていることが鮮明になった。ローラン・メキース代表(48、フランス)が「裕毅と一緒に成長するために協力し続ける」と残留へ向けて支援継続を明言した。一方でモータースポーツアドバイザーの重鎮ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)の関心は、姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)の昇格を前提に、有望株アレックス・ダン(19、アイルランド)をハジャーの後釜にすえる構想に移っている。
メキース代表「彼と一緒に成長するために協力し続けたい」
レッドブル残留か。それとも退団か。
来季の陣容を決める“Xデー”が今月下旬に迫ってきても、角田を巡るレッドブル内の意見はいまだに一致していない。
5日のシンガポールGP決勝で、角田はポイント獲得圏外の12位に沈んだ。13番グリッドからスタートした直後に大きく出遅れる痛恨のミスを犯し、一時は19番手まで後退する苦境から必死の追い上げを見せた。52周目には11番手まで浮上し、2戦連続の入賞に望みをつないだが最後に力尽きた。
それでもF1公式サイトが伝えたレッドブルのメキース代表のコメントには、以前から来季残留を推す角田への信頼に満ちていた。
「裕毅は1周目で大きく後退してしまい、本当に苦しい決勝に直面しながらも、その後に素晴らしい仕事を見せてくれた。順位を取り戻すために必死に追い上げ、一時はポイントを狙える位置にまで浮上した。確かに土曜日(公式予選)は彼にとって良い一日ではなかった。しかし、彼は信じられないほど一生懸命取り組んでいる。だからこそ、私たちは彼と一緒に成長するために協力し続けたいと思っている」
メキース代表と角田の間には、姉妹チーム・レーシングブルズ時代から培われてきた厚い信頼関係がある。しかし、F1のパドックでは来季のレッドブルの陣容についてすでに決着がついていると見られている。
英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』は、ドライバーズランキングで9位につけるレーシングブルズの新人ハジャーの昇格を前提に「すでに一人のドライバーが脱落している」として角田の名前をあげている。
「レッドブルは『まだ何も決まっていない』との主張を繰り返しているが、パドックでは『角田はもはや来季のレッドブルのシートを守るために戦っていない。来季のF1グリッドに留まるためだけに戦っている』と見られている。現時点における角田の唯一の希望は元のチーム、つまりレーシングブルズに復帰することとなるが、レッドブルへ昇格するチャンスをつかむためにレーシングブルズで何年も費やしてきた日本人ドライバーにとって、これはかなり不本意な形となるだろう」
ハジャーが昇格すれば、来季のレーシングブルズのシートがひとつ空く。新規参入りのキャデラックを含めて、他チームの多くが来季の陣容を固めている中で、角田はそこに収まるしかないと同メディアは指摘した。
しかし、レッドブルグループには神童と呼ばれ、将来を嘱望されるアービッド・リンドブラッド(18、英国)がすでにF1スーパーライセンスを取得。来季のF1参戦へ向けてスタンバイしている。
こうした状況を受けて、同メディアはさらにこう続けた。
「角田にとって大きな問題は、マルコがリンドブラッドの昇格に熱心だということだ。しかし、レッドブルグループとしてはリンドブラッドがF1への準備ができているかどうかを、慎重に見極めている状況にある」