
どうなる?!「このような終わり方で残念だ」敗戦噛みしめた“56発男”シュワーバー注目の今オフ去就…「チームは家族同然」と残留希望を示唆?
フィリーズが9日(日本時間10日)、ドジャースタジアムでのドジャースとのディビジョンシリーズ第4戦に延長11回に痛恨のエラーで1ー2のサヨナラ負けし、1勝3敗で敗退した。“56発男”のカイル・シュワーバー(32)は、前日の第3戦で2本塁打を放っていたが、この日は二塁打1本に終わり、佐々木朗希(23)にライトフライに打ち取られるなどしてチームを牽引できなかった。気になるのは今オフにFAとなるその去就。試合後には「どうなるかわからない」としたものの「チームは家族同然。最高級の球団で毎年勝とうとしているチームでプレーしていることがとても幸運」と残留希望とも思える発言をした。
4年総額7900万ドル(約119億3000万円)の契約が終了
シュワーバーはそのバットの一振りで1点差ゲームの流れを変えることができなかった。前日はライトスタンド最上段の看板にぶつける超特大の139m弾と、2ランの1試合2本塁打を放ち、その勢いのまま初回に一死からライト線への二塁打で先制機を作った。だが1本が出ずに無得点。3回の第2打席はタイラー・グラスノーの高めゾーンのストレートに空振り三振、6回の第3打席は今度はカーブで2打席連続三振。
8回には佐々木との注目対決が実現したが、初球にスプリットを見せられ、2球目のインコース真ん中の159.1キロのストレートを豪快にスイングし、ライトへ上がった打球の角度は良かったが、深めに守っていたテオスカー・ヘルナンデスの定位置。佐々木の球威に負けていた。結局、延長11回の最後の打席もセカンドゴロに倒れてシュワーバーのポストシーズンは終わりを告げた。
「NBCスポーツ・フィラデルフィア」の試合後映像によると、シュワーバは、淡々とこう敗戦を振り返った。
「残念だ。このような終わり方で。(フィリーズでの)最後のプレーということではなく、このようなグループと一緒に戦えたからだ。我々は、多くのことを乗り越えられると示してきた。心の底からこの状況を乗り越えられるチームだと感じていた。相手もとても優れていて、我々を抑えたことを称えなければならない。我々も多くのイニングで彼らを抑えていたが、最後の最後で彼らはやり遂げた」
そう言ってドジャースの勝利を称えた。
延長11回二死満塁のサヨナラの大ピンチで、オライオン・カーカリングが、アンディ・パヘスをどん詰まりの投手ゴロに打ち取ったかに見えた。だが、カーカリングは、その打球を弾き、焦って本塁へ送球。J.T・リアルミュートのミットがとても届かない大悪送球となって代走のキム・ヘソンがサヨナラホームを走り抜けた。リアルミュートは一塁送球を指示していた。ツーアウトである。一塁へ送球していれば余裕のアウトだったが、カーカリングはパニックになっていたのだろう。
ベンチで顔を覆い、うなだれるカーカリングにシュワーバーも慰めの声をかけた。
「みんなが彼に話しかけることになるだろう。ひとつのプレーがキャリアを決定づけるようなものになるべきではない。私も人生やキャリアでもとても多くの失敗を重ねてきた。以前、プレーオフの試合で、ダブルエラーをしたこともある。そういうものだ。そこから学んで、良くなっていくんだ。これから何年も、彼は試合終盤で最高のブルペン投手になるだろう。そのプロセスの些細な出来事のひとつだった。試合を終わらせるプレーをするなんて最悪だろう。しかし彼には敗戦は彼のせいではないと信じてもらいたい。そこから前に向って進んでくれるだろう。良くなっていってくれると思う」
チームリーダーらしいメッセージだった。