
「佐藤輝明のアプローチは落合博満に重なる」やっぱり阪神は強かった…日本S進出決めた決勝3ランのサトテルを“ノムさんの参謀”が伝説の3冠王の名前を出して絶賛
セ・リーグのクライマックスシリーズ、ファイナルステージの第3戦が17日、甲子園で行われ、阪神が4-0で横浜DeNAを下して対戦成績をアドバンテージを含む4勝0敗として2年ぶり8度目の日本シリーズ進出を決めた。1回に佐藤輝明(26)が先制3ラン、先発の高橋遥人(29)が8回一死までノーノーの快投を見せての快勝だった。阪神でも監督をした故・野村克也氏のもとでヘッドコーチなどを務めた松井優典氏は“サトテル”を「落合博満のアプローチに重なる」と絶賛した。
藤川監督「次はあと4つです」
やっぱり阪神は強かった。1回に4番のサトテルが先制3ラン。3回に大山のレフトフェンス直撃のツーベースで追加点をあげ、先発の高橋が8回一死までノーノーを継続した。代打の松尾にヒットを許し、二死満塁のピンチを招くも、スクランブル発進した石井が、蝦名をインハイのストレートで空振りの三振に仕留めて吠えた。
9回は岩崎が“3人斬り”の完封リレーで、日本シリーズ進出を決め、お立ち台では、藤川監督が余裕のインタビューである。
「少しお待ちいただけますか」と、最初の質問を遮って、背中のスポンサーボードの向こう側に見える横浜DeNAの応援席の方向を振り返った。
「レフトスタンドのDeNAファンの皆さん、本当にありがとうございました。今日はいませんけれども、セ・リーグの5球団のライバルチームと本当に大変な戦いを今日までやってきました。まずはセ・リーグの5球団のファンの方、選手たち、スタッフの方に、1年間ありがとうございました、と言いたいです」
一番はファンへの感謝。それが藤川監督の哲学なのだろう。
さらに「3つ取ると言って始めたこのクライマックスファイナルステージですが、3つすべて取れるとは思ってませんでした」と言い、慌てて、「あっ!連続(3連勝の意味)でね」と付け加えた。
そこには横浜DeNAに13ゲーム差をつけてリーグ優勝した指揮官の自負が見え隠れしていた。
横浜DeNAに先制パンチを食らわせ、スイープを確信させたのは、40本&102打点の“2冠王”サトテルのバットだ。
1回表に桑原の三塁ゴロを一塁へとんでもない悪送球をしてしまうエラーをしていたが、その裏に一死一、二塁で打席が回ってくると、ケイが外角低めへ投じた初球のスライダーをバックスクリーンまで運んだ。
チームはレギュラーシーズンでケイに53イニングで5得点しか奪えず、防御率0.85と苦手にしていたが、佐藤は、26打数6安打で、打率.250とそれほど相性は悪くはなかった。7月26日には甲子園でライトスタンドへ一発を放り込んでいる。この時はツーシームだったが、同じく初球。狙い球がズバリと的中する相手なのかもしれない。
ノムさんのもとで阪神でもヘッドコーチを務めた松井氏は「阪神のリーグ優勝の要因は佐藤と森下の成長でしょう」と指摘した。
そして佐藤が、あの伝説の3冠王に重なるという。