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カブスの今永昇太がまさかのFAに(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
カブスの今永昇太がまさかのFAに(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

今永昇太の衝撃FAに米地元紙は「彼を失えば先発投手陣が悪化」と嘆く…なぜカブスは3年約89億円の契約延長オプを行使せず今永も約23億円の選手オプを拒否したのか…「年齢と長打を防げない」

 カブスが今永昇太(32)の3年5775万ドル(約88億7000万円)契約延長のオプションを行使せず、今永サイドも1年1525万ドル(約23億4000万円)の選手オプションを拒否したためフリーエージェントとなったことが3日(日本時間4日)、ESPN、MLB公式など複数の米メディアによって明らかになった。米メディアは「衝撃的決定」「驚きのFA」と報道。「FA市場で最高の投手の一人」との見立てもあるが、地元紙は「カブスの先発陣を悪化させる」と嘆き「クオリファイングオファー」に一縷の望みをかけた。なぜカブスは残留濃厚とみられていた今永を手放したのか?

 「FA市場の中では最高の投手の一人になる」

 今永の突然のFAは緊急速報として報じられた。第一報はESPNのジェシー・ロジャース記者のX投稿。横浜DeNAにポスティングによるメジャー挑戦を認められた今永は、2024年1月にカブスと4年総額5300万ドル(約81億6000万ドル)、契約延長を含めた最大8000万ドル(約123億円)で契約を結んだ。
 ただ複雑な契約で3年目以降は、球団側に2028年までの3年総額5775万ドル(約88億7000万円)で契約を延長するオプションがあった。だが、今回、カブスはそのオプションを行使しないことを決定した。その場合に。今永には1年1525万ドル(約23億94000万円)の選手オプションがあったがこれを拒否、事実上のFAとなった。
 地元のシカゴサンタイムズ紙によると、シーズン終了後にジェド・ホイヤー編成本部長は「彼はチームのために結果を出してくれただけでなく、素晴らしいチームメイトであり、組織にとって非常に価値のある存在です。当然、決定しなければならないこともあり、話し合いもしますし、これから2~3週間のうちにその作業を行います。しかし、ショウタについてはポジティブなことしか言うことがありません」と、延長オプションの行使を示唆していた。
 残留が規定路線と見られていただけに、スポーツイラストレイテッド誌は「衝撃的な決定」と伝え、米ヤフースポーツは「驚きのFAへ」との見出しを取って報じた。
 前出のシカゴサンタイムズ紙は「まだクオリファイングオファーを出す時間はある」とそこに一縷の望みをかけた。
 今後、球団側は今永が他球団に移籍した場合のドラフト指名権と引き換えに1年2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイングオファーを出す可能性はある。だが米ヤフースポーツは「そのオファーを拒否してFA市場に打って出ることは確実だ」との見込みを示した。
 今永は、1年目に29試合に投げ、15勝3敗、防御率2.91、174奪三振、リーグ1位のK/BB6.21をマークして米球宴に選出され、新人王投票4位、サイヤング賞投票でも5位に入った。
 2年目の今季は東京ドームでのドジャースとの開幕投手に指名され、25試合に登板、途中下半身の怪我で離脱する時期もあったが、9勝8敗、防御率3.73、117奪三振の成績だった。
 ただポストシーズンではパドレスとのワイルドカードシリーズ第2戦に2番手登板して4回2失点、続くブリュワーズとの地区シリーズの第2戦に先発したが、3回持たずに4失点で以降出番は回ってこなかった。
 なぜカブスは今永の契約延長を拒否したのか。

 

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