「え?なんで?と驚いた。坂本と梅野がいる中での35歳の捕手獲得の意図がよくわからない」阪神“日本一”OBが日ハムの伏見寅威と阪神の島本浩也の電撃トレードに疑問
日本ハムの伏見寅威(35)と阪神の島本浩也(32)の1対1の交換トレードが14日に成立し両球団から発表された。左の中継ぎが補強ポイントだった日ハムと坂本誠志郎(32)がMVP級の活躍を見せたものの、梅野隆太郎(34)の不振で、第2、第3の捕手の選手層を厚くしたかった阪神の思惑が一致しての電撃トレード。だが、阪神0Bでパ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興氏は「驚いた。坂本が主軸を務める中で2番手の梅野よりも年上の伏見を獲得した意図がよくわからない」と疑問を呈した。
伏見は今季は46試合でスタメンマスクをかぶり日ハム2位に貢献
電撃トレードが発表された。
阪神が貴重な中継ぎ左腕の島本を放出して日ハムのベテラン捕手の伏見を獲得したのだ。球団公式サイトを通じて島本は、「タイガースファンのみなさま、そして関係者のみなさま、15年間ありがとうございました。突然のことで少し驚きもあり、そして寂しさもありますが、新天地でしっかり活躍することが恩返しになると思っています。交流戦でまた甲子園に帰ってきて、元気な姿をお見せすることができるように頑張ります。今後もご声援をよろしくお願いします」と感謝の意を伝え、伏見も、またこうメッセージを残した。
「FAで入団してからの3年間、気持ちよくプレーできたのは球団の支えがあったからだと感じています。いい思い出で、これからの野球人生にとって貴重な経験となりました。またファンの皆さんには、調子の良い時も悪い時も変わらず応援してくださり、何度もくじけそうになった時に背中を押してもらいました。本当に感謝しています。これからも変わらず応援していただけると嬉しいです」
この電撃トレードは、両球団のファンだけでなく球界関係者にも驚きを持って受け止められた。
1985年の阪神日本一メンバーで、パ・リーグの野球に詳しい池田氏も「え?なんで?と驚いた」と素直な感想を口にした。
「日ハムは左の中継ぎが不足していてそこを求めたのはよくわかる。島本はピンチに強く今季も結果を残した。ブルペン陣の質も層も厚い阪神は、左も及川、桐敷、岩貞と揃っていて、終盤は中継ぎに回ったルーキーの伊原もいるので島本を出せる状況にあった。日ハムは狙いどころだったし、いい補強ができたと思う。ただこのトレードに驚いた理由は、阪神側が獲得した伏見だ。ハッキリ言って意図がよくわからない」
池田氏はそう疑問を呈した。
日ハムは、左腕の上原がセットアッパーの地位を確立したが、宮西も40歳で、シーズン終盤からポストシーズンにかけては、山崎を中継ぎに回したほどで、シーズンを通じてフル回転できた左腕は少なく、左の中継ぎ補強が課題だった。
島本は、2023年に35試合に登板、4勝2敗15ホールド、防御率1.69の成績で、18年ぶりの優勝、38年ぶりの日本一に貢献した。
特にイニング途中のピンチでの救援に絶対的な信頼感があり、今季も登板数は16試合と減ったが、防御率は1.88で、2勝1敗2ホールドの成績を残していた。日ハムにとっては最高のトレードだろう。
だが、疑問が残るのは池田氏が指摘した阪神の伏見の獲得だ。

