「今季最悪のセッションのひとつだ」角田裕毅が“ラストラン”のFP2で17番手に沈み困惑…リンドブラッドもFP1惨敗でファンはSNSで激怒…メキース代表は来季途中昇格の可能性を示唆
F1の今季最終戦のアブダビGPが5日、アラブ首長国連邦アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開幕、今季限りでレッドブルの正ドライバーから降格する角田裕毅(25)はフリー走行2回目(FP2)から出走して2番手のマックス・フェルスタッペン(28)から0.857秒差の17番手に沈んだ。角田は「今季最悪のセッションのひとつ」とグリップ不足に困惑。フリー走行1回目(FP1)では代わりに出走した来季からレーシングブルズに昇格するアービッド・リンドブラッド(18)も角田のマシンで15番手に終わり「グリップが本当に酷い」と嘆き、SNSでは「これが答え合わせ。遅いのはマシンのせいだ」と、来季から角田をリザーブ兼テストドライバーへ降格させたレッドブルの決断に怒りの声があがった。
「裕毅には再びチャンスをつかむだけの実力がまだたくさん残っている」
セッション中の無線で角田が泣きを入れた。
「グリップ不足が全体的に酷い。ミッドコーナーでの回頭性が悪い。安定感もダメだ」
アブダビGPのフリー走行2回目から登場した角田は、ミディアムタイヤのショートランからスタートしたが、マシンのリアの問題でタイムが上がらず、ピットでマシンを調整。ソフトタイヤのショートランでも、フェルスタッペンとは0.8秒以上の差がついた。再度ピットインしたが、改善できず後半のミディアムタイヤでのロングランでもスピードアップはできず徐々にタイムが落ちて、結局、17番手に終わった。
カタールGP直後にチームアドバイザーの“重鎮”ヘルムート・マルコ氏から「来季はレースに出られない」と、注目の去就についてリザーブ兼テストドライバーへの降格を告げられた。
来季のレッドブルの布陣は、姉妹チームのレーシングブルズで表彰台に上がるなどの結果を残した新人のアイザック・ハジャーが昇格、レーシングブルズも、リアム・ローソンが残留し、F2から“神童”リンドブラッドが昇格することになった。
角田にとってこのアブダビGPがレッドブルでのラストラン。有終の美を飾るはずのスタートが最悪の結果に終わり角田の表情もさえない。
F1公式サイトが伝えたフラッシュインタビュー。
「正直ここまで厳しいとは思わなかった。ちょっと(フェルスタッペンから)離されすぎている。何が起きているのかよくわからない。これから原因をよく見ていかなくちゃいけない。今シーズンの中でも最悪のセッションのひとつだ。ちょっと様子を見たい」
淡々と角田はレースを振り返った。
さらにインタビュアーに「車のセッティングが悪かったのか?それとも車は良かったが攻められなかったのか?」と、核心を突かれ、素直にこう答えた。
「車の中での居心地は良くなかった。ずっと滑っている感じだった。この原因を突き止めなければならない。今の状況は良くない」
グリップ不足に加え、セクター3でタイムを落としたマシンの回頭性の悪さを指摘した。
F1規定に沿い、フリー走行1回目には計9人の若手ドライバーが投入された。レッドブルも角田に代わり、来季からレーシングブルズに昇格するリンドブラッドが出走した。だが、角田のマシンに乗ったリンドブラッドも15番手に沈んだ。

