え？まさか？拳四朗のIBF世界スーパーフライ級戦が王者ガルシアの緊急入院で直前に中止

　プロボクシングの寺地拳四朗（33、BMB）が27日にサウジアラビアで開催される「The Ring V: Night of the Samurai」で挑戦する予定だったIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチが中止となった。王者のウィリバルド・ガルシア（36、メキシコ）が計量後に体調を崩して入院し、試合ができなくなったもの。関係者が明らかにした。主催者の総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が中東地域から代替選手を2人ほどリストアップしているが、ノンタイトル戦となるため寺地陣営はそのオファーに消極的だ。

　セレモニー計量後に体調不良を訴える

　ショックだ。拳四朗の3階級制覇への挑戦が王者の体調不良、緊急入院というアクデントで中止となった。
　王者のガルシアは51．6キロで計量をパス、拳四朗も51・9キロでクリアし、2人はその後のセレモニー計量にも参加した。
　ガルシアは舞台上のフラッシュインタビューで「オレが強い。明日は勝つ！」と力強く勝利宣言をしていた。だが、その後、体調不良を訴えてリヤドの病院に緊急入院したという。
　寺地陣営に連絡が入ったのが、現地時間の午後11時。寺地は真空パックのウナギを自分で料理して、リカバリーを終え、そしてセレモニー計量でも、話題となった恒例のアイスクリームも食べて、明日の世界戦に備えていたが、そこで伝えられたのが、世界戦中止というショッキングなニュースだった。
　トゥルキ・アルシェイク長官が、階級が下のライトフライ級、フライ級の2人の代替選手をリストアップ。ノンタイトル戦として試合を行うことをオファーしてきたが陣営は受諾には消極的だ。
　拳四朗は、計量後の囲み取材で、日本をイメージしたニューデザインのコスチュームを用意してもらったことを明かし「負ければと終わりという危機感もあるし、その分やる気も増える。いつも以上に実力を出せる」との覚悟を口にしていた。
　前日には、スーパーフライ級の3団体統一王者のジェシー“バム”ロドリゲス（米国）とプロモート契約を結ぶ「マッチルーム」のエディ・ハーンCEOが、「この試合の勝者とバムの4団体統一戦を最優先で実現したい。IBFは（ガルシアー拳四朗の勝者に）指名試合を指令しているが、なんとかなると思う」と明言。
　ガルシアに勝てば、バムとの4団体統一戦のビッグマッチが実現する可能性が濃厚となっていた、それだけになおさらショックは大きいだろう。ただ計量オーバーではなく、計量をクリアした後の不慮のアクシデントだけに、ガルシアの王座の剥奪措置などは取られない。ただ拳四朗にIBF王座への優先挑戦権はキープされると考えられる。