• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 井上尚弥の「中谷戦かフェザー転級かどっちに転ぶかわからない。5月は不透明」の衝撃発言の真意とは…大橋会長は「(挑戦を)受けるより挑戦する気持ちが強い」と説明もニュアンスにズレが
井上尚弥がバキバキの肉体を披露した(写真・山口裕朗)
井上尚弥がバキバキの肉体を披露した(写真・山口裕朗)

井上尚弥の「中谷戦かフェザー転級かどっちに転ぶかわからない。5月は不透明」の衝撃発言の真意とは…大橋会長は「(挑戦を)受けるより挑戦する気持ちが強い」と説明もニュアンスにズレが

 プロボクシングの「The Ring V: Night of the Samurai」(27日・サウジアラビア)の前日計量がリヤドの現地ホテルで行われ、出場10選手全員が一発でパス。スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)はフェザー級挑戦の話が急浮上して来年5月に東京ドームで対戦する予定の中谷潤人(27、M.T)とのスーパーマッチが「不透明。どう転ぶかわからない」と白紙撤回となる可能性があることを伝えた。大橋秀行会長(60)は「(挑戦を)受けるより挑戦したい気持ちが強い」とその理由を説明。2人の発言のニュアンスに少しズレがあるが、ここにきて来年5月の東京ドームでモンスターが誰と戦うかがミステリーとなった。

 「自分は別にどちらにせよ。準備するだけなんで」

 サウジでの衝撃の発言だった。
 午前中の計量をリミットから約200グラムアンダーの55.11キロで一発クリア。セレモニー計量を前に囲み取材に応じた井上が、スーパーバンタム級で、今後どこまで戦うのか?という話になったときだった。
「今の減量からすると、まだ(スーパーバンタム級で)いけるかな。もうちょい(体を)作れるかな。ただ体つきもスーパーバンタム級の初期と比べると、だいぶ変わってきている。もう少しスピードを落とさずにでかくできる。しっくりきてから次の階級がある」
 そう語った後に唐突にこう明かしたのだ。
「会長曰く、来年フェザー(級挑戦を)考えている。中谷戦もどうなるかわからない、と言われている。5月にフェザー(級挑戦)もありえるかも、準備しておけよ、と。どうなっているかわからない」
 井上は20日にサウジ入りしてから大橋会長にその構想を聞かされたという。
 既成事実と考えられていた5月の中谷戦が白紙撤回され、5階級制覇への挑戦となるフェザー級挑戦プランが急浮上しているというのだ。
 今回はメインで井上がアラン・ピカソ(メキシコ)の挑戦を受け、セミファイナルで中谷潤人(M.T)がそのモンスターの元スパーリングパートナーであるWBC世界同級10位のセバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)とのスーパーバンタム級のテストマッチを戦う。2人の競演は、来年5月の東京ドーム決戦へ向けての“プレイベント”の意味も込められたマッチメークのはずだった。
 だが、井上は「中谷戦か、5階級制覇か。まだ土壇場ではない。これが終わって最終的な交渉に入る。どっちに転ぶかわからない、とここにきて言われている。(今回の試合の)結果次第もあるだろうしね。5月は不透明」と衝撃発言をした。
 さらにこうも続けた。
「自分としても、中谷戦も盛り上がるし、5階級制覇も盛り上がるから、決まった試合に向けてどっちでも準備するだけなんで」
 折につけて中谷戦について質問を受け、公開練習時にはこうも口にしていた。
「ファンの方は来年5月の試合をイメージ、空想して見ると思うので、その試合の内容で、どっちが強いか、どっちかが勝つか、そういった楽しみもあると思う。そういう見方もしてもらえたらすごく盛り上がる日になる」
 それだけにピカソ戦を前にしての大橋会長の新プランに動揺はなかったのか。
 井上は「それはないですよ」と一蹴した。
「自分は別にどちらにせよ。準備するだけなんで」
 両にらみでの準備も可能であることを明かした。
 セレモニー計量後に囲み取材に応じた大橋会長に、井上に新プランを伝えた真意を聞く。
「(挑戦を)受けるのではなく、挑戦したい気持ち強いのが事実。本人の意思を優先してね。中谷戦も魅力あるし、フェザーで日本人初の5階級制覇も魅力がありますよ。明日の試合の結果次第?それは関係ない」

 

関連記事一覧