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井上尚弥のサウジでのファイトマネーは一体いくらだったのか?(写真・Matchroom Boxing/Mark Robinson)
井上尚弥のサウジでのファイトマネーは一体いくらだったのか?(写真・Matchroom Boxing/Mark Robinson)

「100億円興行」サウジの”サムライナイト”で井上尚弥のファイトマネーは一体いくらだったのか…村上宗隆や岡本和真ら日本人スターのメジャーリーグ流出問題がモンスターにもリンクする懸念

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が昨年12月27日にサウジアラビアのリヤドでアラン・ピカソ(25、メキシコ)を相手に圧巻の判定勝利で防衛に成功した試合のファイトマネーは一体いくらだったのか。緊急連載の最終回では、パウンド・フォー・パウンド1位への返り咲きを狙うキャリアピークのモンスターに今のしかかっている問題に迫った。

 昨年5月のラスベガスで10億円は突破していた

 サウジアラビアが国家事業として推し進めているエンターテインメント事業「リヤドシーズン」の主要コンテンツのひとつがボクシングだ。
 日本人選手を当初、6人招聘する予定だった「The Ring V: Night of the Samurai」の今回の興行規模をあるプロモーション会社の関係者は「約100億円」とした。
 会場となったアミューズメントパークエリアである「ブルーバードシティ」内にあるムハマド・アブド・アリーナのリングサイドは約2万円でA席が8000円と、日本国内の興行に比べてチケットの価格は格段に安く、しかも2万人収容の観客席は3000人の設定だった。
 ゲート収入はそれほど見込まれないがまずは日本から来るファンに「リヤドシーズン」を体験してもらいたいとの狙いもあったのだろう。
 サウジは2030年の万博、2034年のサッカーのW杯に向けて観光を含めた国内の産業構造の改革へシフトしている。
 一連の行事が行われたグローバルシアターの神社の鳥居や桜などを彩ったディスプレイや、当日のムハマド・アブド・アリーナの豪華な空間演出は、井上が「かなりお金がかかっている」と驚くほどスケールが大きかった。そして御年81歳の有名リングアナのマイケル・バッファーが、アナウンスで紹介した協賛スポンサーは、サウジの国立銀行や航空会社、自動車メーカー、ペプシに至るまで15社以上に至った。
 さらに欧米には、DAZN、日本向けにはLeminoがライブ配信、また国内では映画館でのクローズドサーキットも開催された。その放映料、PPVロイヤリティ、そして選手のファイトマネーなどを含めると、100億規模になるという算出なのだろう。
 そもそも「リヤドシーズン」の第1回目のリヤドでの興行は、2023年10月のWBC世界ヘビー級王者、タイソン・フューリー(英国)と元UFCヘビー級王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)の異色マッチで、フューリーが6000万ドル(約95億円)でガヌーが1000万ドル(約15億8000万円)。さらに2024年5月のフューリーとオレクサンドル・ウシクのヘビー級の4団体統一戦ではファイトマネーはグンとアップし、初戦ではフューリーが1億300万ドル(約162億7000万円)、ウシクが4290万ドル(約67億7000万円)で、それぞれPPV収入がプラスされフューリーの取り分は総額1億3000万ドル(約205億円)を超えた。再戦では、逆に勝者のウシクのファイトマネーが1億1400万ドル(約180億円)までアップし、PPVの分配金がプラスされている。
「リヤドシーズン」の当初は総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官が選手と個人的に契約を結んでの大番振る舞いだったが、常識外れの価格破壊が、ボクシング業界全体に悪影響を及ぼしており、ここにきて個人契約ではなくプロモーターと契約する形式に変わっている。しかも今回の出場選手に関しては、現地入りしてからプロモーターと最終サインが交わされるというドタバタだった。
 一部のボクサーを除き、サウジのファイトマネー“バブル”は終焉し、徐々に“通常価格”に落ち着きつつあるというが、まだまだ高額で、今回の出場ボクサーはキャリア最高額を手にしている。

 

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