ミラノ五輪に奇跡?米41歳“レジェンド”女性スキーヤーのボンが膝の十字靭帯断裂のまま強行出場宣言も「無茶苦茶のようでスキー界では珍しくない暗黙の了解」という衝撃の実情
バンクーバー五輪のアルペンスキー女子ダウンヒルの金メダリストで、W杯通算84勝を誇る“レジェンド”リンゼイ・ボン(41、米国)がミラノ・コルティナ冬季五輪直前のレースで左膝前十字靭帯(ACL)断裂の重症を負いながら、8日の試合の強行出場を宣言したことが全米で話題となっている。SNSは応援メッセージと「出場はやめなさい」などの意見が殺到しているが、米サイト「ジ・アスレチック」は「スキー界では珍しくない。暗黙の了解」という同じ米国五輪代表の声を紹介した。
1週間前にヘリコプターで搬送
信じられない決断だった。
「このチャンスを指の間からこぼれ落とすつもりはありません。私はやります。以上です」
五輪の公式Xはボンが3日(日本時間4日)に現地のコルティナ・カーリング・スタジアムで行われた会見で、こう語った様子を伝えた。
ボンは1月30日、スイスでのW杯クランモンタナ大会のダウンヒルで転倒して左膝の前十字靭帯(ACL)断裂の大怪我を負った。ヘリコプターで緊急搬送されるほどの重症だった。
五輪欠場は濃厚だったにもかかわらず、8日に本番が迫っているダウンヒルレースへの強行出場を宣言したのだ。
「私は泣いていません。顔を上げ胸を張って立っています。できる限りのベストを尽くしますし、結果がどうであれ、それが結果です。ただ、“挑戦しなかった”とは決して言わせません」
左膝はACL断裂だけではなく、骨挫傷、さらに半月板損傷も起こしていた。それは以前からあったものか、今回の怪我で負ったものかは不明だが「五輪の1週間前にこの知らせを受け取るのは、本当に本当に厳しいものだった」という。
だが、ボンは医師との綿密な協議、集中的な治療、身体テストを経て、3日には実際にゲレンデで滑るテストも実行した。
「それらの結果を踏まえ、日曜日(8日)に行われる五輪の女子ダウンヒルに出場できると判断しました。もちろん日曜日にレースに出るためには規定通り(5日の)トレーニングランを1本こなす必要がありますが、自分の体がパフォーマンスを発揮できるという自信はあります」
膝の状態は「安定しており、腫れもなく、筋肉も本来あるべき反応を示している」という。
41歳のボンは不死身の女性スキーヤーだ。
米USAトゥデイ紙によると、2019年に35歳で現役を引退した。2024年4月に右ひざの人工膝関節の部分置換手術を受けたが「競技復帰のためではなく痛みのない生活を送るため」だったという。ところが膝の回復が進むにつれ「ここ数年で一番調子がいい」と感じるようになり、その年の12月にW杯に復帰。昨季は好不調が混在したものの、最終戦となったアイダホ州サンバレーでのW杯ファイナルのスーパーGで銀メダルを獲得している。今回の五輪出場は2018年の韓国・平昌五輪以来だ。
ボンのとんでもない決断にSNSでは応援メッセージが殺到した。
「競技に出るのはやめなさい」という意見がある一方で「君は戦士の心を持っている!」「それこそ五輪精神だ」「狂気的だけど、彼女の執念、回復力、そして自信は本当に尊敬する」「誰も君をとめらない」などの声がほとんどだった。
しかし、さらに驚くことにAOL断裂での競技出場は「スキー界では珍しくない」という。

