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団体金メダルのグレンのフリー演技曲は無断使用だった?!(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
団体金メダルのグレンのフリー演技曲は無断使用だった?!(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

トラブル発生!フィギュア団体金メダル米国女子フリーのグレンの演技曲は無断使用だった…作者が「今知った。五輪ではこれが普通のやり方なのか?」と怒りの抗議

 ミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート団体で金メダルを獲得した米国チームで女子フリーに出場したアンバー・グレン(26)が、無断で楽曲を使用したことが問題になっている。「CLANN」という名で音楽活動を行っているカナダ人アーティストのセブ・マッキノン氏が自身のSNSで「僕の曲を許可なく演技に使っていたと、たった今知った。オリンピックでは、これが普通のやり方なのか?」と訴え、米NBCや英インディペンデント紙などが報じた。グレンは個人戦を控えているがフリーでこの曲を使用できるのだろうか。

 団体女子フリーでは坂本花織が1位でグレンが3位だった

 日本の猛追を“4回転の神”イリア・マリニンが振り切って2大会連続の金メダルを獲得した米国チームのグレンがトラブルに巻き込まれた。
 最終日の女子フリーに登場して坂本花織と紅い火花を散らしたグレンの使った演技曲が無断使用だったというのだ。
 グレンは、この2シーズン「I Will Find You」と「The Return」などをミックスした曲を演技曲として使っているが、その「The Return」の作曲者であるCLANNことマッキノン氏がXにこう投稿した。
「オリンピックのフィギュアスケーターが、僕の曲を許可なく演技に使っていたと、たった今知った。世界中で放送されたんだ……何これ? オリンピックでは、これが普通のやり方なのか?」
 この投稿はまたたくまに拡散。1450万回以上閲覧される炎上騒ぎとなった。
 五輪の放送を見ていて気付いたようだ。グレンはトリプルアクセルの使い手として知られるが、初の五輪の舞台に緊張したのかミスが続き女子フリーでは3位となり、坂本が1位だったため、ポイントで日本に並ばれる事態となっていた。
 英インディペンデント紙やNBCなどがこの問題を大きく取り上げた。フィギュアスケーターは演技に使用する音楽についての許可を取得することが求められているが、その手続きは決して単純ではない。
 NBCによると「レーベルやレコードプロデューサーが著作権を所有している場合もあれば、アーティスト本人が権利を持っている場合もある。さらに多くの場合、複数の権利者が関与している。スケーターが異なる音源をつなぎ合わせて使用することもある。またそれらの権利処理を円滑に進めることを目的としたエージェントも存在しており、こうした要素が絡み合うことで、フィギュア界における著作権問題は非常に曖昧で微妙なものになっている」という。
 ただマッキノン氏は、「自分が所属しているレーベルとの契約では、楽曲のライセンス使用について最終的にOKを出せるのは自分だけ」と主張し、本来であれば、なんらかの使用料が入る可能性があったものを無断使用されていることを問題視した。
 フィギュアスケートの演技曲使用で著作権が問題になったのは、2014年に国際スケート連盟がボーカル入りの曲の使用を認めてからだ。それまではボーカル入りの音楽の使用が禁止され、多くのクラシック音楽は、パブリックドメインのため、著作権が発生しなかった。
 問題が表面化したのは、2022年北京五輪で「朝日のあたる家(House of the Rising Sun)」のカバー曲を使用した米国ペアのアレクサ・クニエリム、ブランドン・フレイジャー組に対し、そのカバー曲の製作者であるインディーズアーティストが異議を唱えた。その後、訴訟に発展し、国際スケート連盟はスケーターが著作権侵害の主張を受けないよう新たな仕組み作りに乗り出すことになったという。
 またカナダCBCは、同じく使用曲の許諾問題が、今回の五輪直前のプログラム変更に直結した例としてカナダのアイスダンスのマリー=ジャード・ロリオー、ロマン・ル・ガック組がプリンスの「Thunder」の権利を確保できず別曲に差し替えたことを紹介している。

 

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