衝撃8位惨敗“4回転の神”マリニンの敗因探しに心理学者まで登場…「やらねばならない。人々を失望させてはいけないの思いが強すぎた」メンタル強化に日記を推薦
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子シングルフリーは大波乱の幕切れとなった。金メダルの大本命だった“4回転の神”イリア・マリニン(21、米国)が4つの4回転ジャンプに失敗し、そのうち3つが1回転に終わるという大きな減点があり、まさかの8位に終わったのだ。本人は「想像を絶する五輪のプレッシャーに襲われた」と明かしたが、米NBCワシントン局はその精神状態を心理学者に分析させた。
心理学者マイケル・ジャーヴェイス博士が分析
誰がこんな幕切れを予想できたのだろうか。
一番のライバルだった鍵山優真が3つのジャンプでミス。自己ベストに程遠い、176.99点の計280.06点で暫定2位に留まり、会場の誰もが、もう最終滑走マリニンの金メダルを疑わなかった。マリニンは4種類7本の4回転ジャンプを用意。たとえ失敗しても基礎点があるため、金メダルは確実の状況だったからだ。
“4回転の神”は冒頭の4回転フリップこそ成功したものの封印を解いた4回転アクセルを回り切れず途中で止めて1回転になり、4回転ルッツの後に予定していた4回転ループがダブルループになってしまう。さらに後半の連続ジャンプも、最初の4回転ルッツで転倒。会場からは激励の声援と拍手が起きたほど。続く連続ジャンプは成功させたが、最後の4回転サルコー+トリプルアクセルの連続ジャンプが、ダブルサルコーだけとなり、しかもまた手をついて転倒した。演技が終わるとマリニンは泣き顔になった。
200点超えが当たり前で、2シーズン負けなしのマリニンがまさかの156.33点。計264.49点で8位となり会場を悲鳴が包んだ。
英ガーディアン紙によるとマリニンはミス連発の理由をプレッシャーだと説明した。
「五輪のプレッシャーは本当に襲いかかってくる。五輪には“呪い”があると言われる。金メダル最有力候補は五輪で失敗する、と。まさにそれが起きた。プレッシャーは想像を絶する。本当に簡単じゃない。それでも最後まで滑り切れたことは誇りに思う」
その精神状態を心理学者に分析させたのが米NBCワシントン局だ。
Finding Masteryの創設者であるハイパフォーマンス心理学者マイケル・ジャーヴェイス博士が、こう分析した。
「五輪には大きな感情が渦巻き、熱気に包まれた環境から内面へのプレッシャーが強まる。それらの状況はすべて異例なもので大抵の人々が想像するよりも困難なものだ。彼は『滑り始める直前に多くの考えを巡らせ、内面に何かが起きていることに気が付いた』というコメントを残していた。彼は普段はそうしたことをうまく扱うことができるが今回は騒々しく大きく厳しいものだと感じていた。それがプレッシャーとなって襲ったのだ」
4年に一度の五輪。
その特別感がマリニンを通常の状態でなくした。
「多くの場合、人は自分がやらねばならないことを考えすぎてそれがあまりに大きく感じられると、気後れしたり『実はそこまで厳しい仕事ではないかもしれない』と自分に言い聞かせたりする。今回、まさにそうしたことが彼に起きた」
博士はマリニンの心の中で起きた葛藤を説明した。

