「2人は希望を失わず今夜また涙があった」海外メディアや識者も“りくりゅう”大逆転”金メダルに感動…ワシントンポスト紙は「フリープログラムの質の高さ」から逆転を予告していた
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートペアのフリーが16日(日本時間17日)行われ、“りくりゅう”こと三浦璃来(24)、木原龍一(33、木下グループ)がフリーの世界歴代最高得点となる158.13点をマークして奇跡の大逆転で金メダルを獲得した。SPでは5位と出遅れたが、6.9得点を逆転して、同種目、日本史上初のメダルを獲得する快挙を成し遂げた。海外メディアや識者からも「泣いた」「これこそが五輪」などと称賛が相次いだ。
フリーで歴代世界最高得点をマーク
「あきらめないことが本当によかったかな」
木原の涙が止まらない。
SPでは得意であるはずのリフトでバランスを崩すミスを犯してメダル圏外の5位と出遅れた。トップとは6.9点差。
「龍一君がずっと泣いていたんですよ、いつも引っ張ってくれる龍一君が。今回は、私がお姉さんでした」
9歳年下の三浦が励ましメンタルを立て直してのフリーの演技。
冒頭で高さのある3回転ツイストリフトを決めると、続く3連続のジャンプシークエンス、リフトを決め、さらにスローの3回転ルッツ、スローの3回転ループも鮮やかに着氷した。
ノーミスの圧巻の演技に会場は大歓声に包まれ、ソチ五輪ペア代表でかつて木原とペアを組んでいたNHKの解説者の高橋成美さんは「凄い」を連発して「宇宙一」と評した。2人は涙を流しながら抱き合った。
得点はフリーでの世界歴代最高得点となる158.13点。合計も歴代5位となる231.24点をマークしてトップに立った。三浦は両手で口元を覆って飛び上がり、木原はまた号泣。最終グループの4ペアの演技を見守ったが、“りくりゅう”ペアのスコアを上回るペアはなかった。
日本列島を涙の洪水にさせた感動の大逆転劇だった。
三浦は「まだ実感が湧いてなくて、とにかく昨日のミスからここまで立て直すことできて、今までやってきた強さを出せたことが一番うれしい」と興奮を抑えて言い、木原は「昨日終わった時点でもう全部終わっっちゃったなと思ったけど、璃来が力強く引っ張ってくれたのでなんとか戻ることができた」とまた涙を流した。
海外メディアも称賛の報道が相次いだ。
英ガーディアンは「劇的なカムバックだった」という見出しで伝えた。「2人は涙を流し感謝の気持ちを込めて地面にひざまずき、互いに向き合う。信じられないという表情を30秒ほど浮かべた後、ようやく笑顔がこぼれる。一方がもう一方を抱き上げるが、今回はメダル獲得を祝う抱擁であり、ここまでやってきた努力を称えあう抱擁ではない」と状況を描写した。優勝争いからは程遠い位置からの逆転は極めて困難だったとし「SP終了時点では彼らは5位と首位から7点差の苦境に立たされていた。それでも彼らは舞台に立ち、完璧で圧倒的な演技を披露した。勇敢かつ野心的に、技術的な正確さを伴って。そして158.13点という驚異的な高得点を叩き出した」と伝えた。
米NBCは「今大会屈指の逆転劇を完遂した」と表現した。
「フリーでは完璧な演技を披露した。力強さと圧倒的な一体感で『グラディエーター』に合わせ、シーズンベストとなるフリー158.13点、総合231.24点を記録。プレッシャーのかかる場面で真価を発揮したといえる演技だった。勝負どころで結果を出し、日本にとってペアで初めての五輪メダル(色は金銀銅どれでも)を確定させ、さらに今大会屈指の劇的な逆転劇を完遂した」と、重圧のかかる大一番で持てる力をすべて出し切ったことを称えた。

