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J1神戸のサポーター団体がイニエスタの去就や6月6日に国立で行われるバルサ戦に関する情報が不足しているなどに不満をぶつける異例の声明を出した(写真・アフロ)
J1神戸のサポーター団体がイニエスタの去就や6月6日に国立で行われるバルサ戦に関する情報が不足しているなどに不満をぶつける異例の声明を出した(写真・アフロ)

「こんな声明を出させるな!」J1神戸サポのイニエスタ去就などを巡るクラブ姿勢に不満ぶつける声明に他クラブサポから賛同の声

 しかし、現時点では9日に神戸の公式HPで試合日時と会場が告知されただけで、チケットに関しても「楽天チケットで販売予定」のままだ。開催まで3週間あまりとなった段階で、東京開催になった経緯を含めて、発信される情報があまりにも少ないと言わざるをえない。
 最後の要請では「サッカー界のために」と綴られている。
「クラブが、バルサ戦開催により日程変更を受けた天皇杯対戦クラブの選手、サポーターの来場にあたって快適に過ごせるよう心配りを行うことを願います。また、クラブとしてサッカー界全体の発展に寄与することも大切です。天皇杯の格式を重んじ、健全な発展に向けて他クラブや協会と協力し、先頭に立つ想いで一層取り組んでほしいと思います」
 今シーズンのJ1は、7月中旬から8月上旬にかけて中断期間を設定。すでにブンデスリーガ1部で11連覇が目前に迫っている強豪バイエルン・ミュンヘン、スコットランドリーグで連覇を達成したばかりのセルティックの来日が決定している。
 しかし、真夏の中断期間ではなく、公式戦たけなわの6月上旬に国際親善試合を実施するために、神戸は天皇杯の日程変更を主催者の日本サッカー協会(JFA)とJリーグに申請。9日になって1週間の後ろ倒しが発表された。天皇杯には予備日が設けられている。しかし、一クラブの営利的な理由で日程が変更されるのは前代未聞の事態と言っていい。
 2回戦で神戸と対戦する可能性のある両チームも、6月7日に試合がある前提で移動や宿泊などの予定を立てていたはずだ。その意味で最後の要請は、日程変更を申請した神戸だけでなく、協議の末に悪しき前例を承認したJFAとJリーグにも向けられるべきだろう。
 文体こそ丁寧ながら、ファン・サポーターから乖離した神戸の対応を鋭く指摘する一連の要請はS.U.K.F.の公式ツイッター(@VKFC_SUPPORTERS)でも公開。表示回数は13日未明の時点で24万件を超え、神戸だけでなく他クラブのファン・サポーターからも「真っ当なことしか書いていない」や「サポーターにこんな声明を出させるな」といった賛同の声があがっている。
 昨シーズンもS.U.K.F.は幾度となく公式HP上で声明を発表。試合当日にフロントとの話し合いが決まるなどクラブ側を動かしてきたが、今回は13日未明の時点で神戸に具体的な発信は見られない。クラブにとってかけがえのない存在であるファン・サポーターから憂慮される状況のなかで、13日には勝ち点3ポイント差で3位につけるサンフレッチェ広島をホームに迎える。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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