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W杯で活躍した谷口彰悟が川崎フロンターレの退団を発表、海外挑戦を決断した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
W杯で活躍した谷口彰悟が川崎フロンターレの退団を発表、海外挑戦を決断した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ”W杯戦士”谷口彰悟は31歳にして川崎Fを退団し海外挑戦を決断したのか…カタール強豪クラブへの移籍有力

 J1の川崎フロンターレは19日、FIFAワールドカップ・カタール大会に出場した日本代表DF谷口彰悟(31)の退団が決まったと発表した。谷口は筑波大から川崎入りした2014シーズンから最終ラインに君臨するとともに、2020シーズンからはキャプテンを拝命。川崎は4度のリーグ優勝に貢献した大黒柱との契約延長に努めてきたが、海外でのプレーを希望する谷口の意向が最終的に尊重された。谷口はW杯期間中に、カタール・スターズリーグのアル・ラーヤン移籍が報じられていた。

筑波大から川崎フロンターレに入団して9年間プレー

 歴史に残る死闘の末に、アルゼンチンのFWリオネル・メッシ(35、パリ・サンジェルマン)が悲願のW杯を夜空へ掲げた余韻が残っていた19日午後。カタール大会で日本の最終ラインの一角を担い、ベスト16進出に貢献した谷口の退団が川崎から発表された。

 クラブの公式ウェブサイト上でファン・サポーターへ、そして一斉メールに添付されたリリースでメディアへ伝えられた谷口の退団。川崎側は「海外クラブへの移籍を前提とした手続き移行のため」と、大黒柱[1] 電撃退団に至った理由を説明している。

 熊本県の強豪・大津高から筑波大をへて2014シーズンに川崎へ加入した谷口は、ルーキーイヤーからセンターバックの定位置を獲得。9年目を迎えた今シーズンを含めてJ1リーグ戦ですべて30試合以上に出場するなど、通算289試合でピッチに立ってきた。

 その過程で2017シーズンの悲願の初優勝と2018シーズンの連覇をともに全34試合、トータル3060分のフルタイム出場で支えた。さらに2020シーズンからはキャプテンに就任。精神的な支柱も担いながら、昨シーズンまでの2度目の連覇をけん引した。

 代役の効かない存在となった谷口と川崎の契約は、今シーズン限りで満了を迎える。当然ながら川崎側は早い段階から、契約延長へ向けた話し合いの場を設けてきた。谷口自身も後ろ髪を引かれる思いがあったのだろう。川崎を通して発表したコメントで、谷口は「たくさん悩み、今回の決断になりました」と冒頭で綴った上で、川崎での9年間へ感謝の思いをまず示した。

「フロンターレに加入し、たくさんの喜怒哀楽をサポーターの皆さん、フロンターレに関わる全ての皆さんと共有してきました。この体験、経験は私にとって何事にも変えることのできない素晴らしいものとなりました。強いフロンターレをみんなで作りあげていくこと、ワールドカップでプレーすることは達成できました」(原文ママ、以下同じ)

 タイトルにあと一歩手が届かず、一時はシルバーコレクターと揶揄された川崎は2017シーズン以降の5年間で6つのタイトルを獲得。一方で昨年まで「5」だった谷口の代表での出場試合数は、今年だけで「11」に激増。カタールW杯ではスペインとのグループステージ最終戦、クロアチアとの決勝トーナメント1回戦で、3バックの右として計210分にフル出場した。

 

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