
「レッドブルにはもう一人のフェルスタッペンが必要だ」3戦を終えて入賞1度の角田裕毅に元F1メカニックが厳しい評価…代表がメルセデスのラッセルに“極秘接触”との情報も
F1レッドブルの角田裕毅(24)は昇格後、日本GP、バーレーンGP、サウジアラビアGPと3戦を終えて、12位、9位、リタイヤという結果に終わった。適応の難しいRB21に対応しつつあるが、元マクラーレンのメカニックでF1番組の司会など専門家として活躍しているマーク・プリーストリー氏(48)が自身のYouTube番組「F1 Elvis」にて「セカンドドライバーの問題は良くなっているわけではない」と厳しく指摘した。また専門サイト「THE RACE」は、レッドブルがメルセデスのジョージ・ラッセル(27)と非公式に接触しているとの情報を伝えた。次戦は5月3日開幕のマイアミGPだ。
「角田の結果はローソンに比べて良くなっていない」
レッドブルに昇格して3戦を終えた角田の評価が揺れている。
“デビューレース”となった日本GPは12位。バーレーンGPでは9位入賞でポイントを獲得し、先のサウジアラビアGPでは、予選を最高位となる8位で通過したが、元チームメイトのアルピーヌのピエール・ガスリーと接触してクラッシュするアクデントに見舞われてリタイヤした。
米専門サイト「motorsport.com」の試算では、もしクラッシュがなければデータ的には8位入賞を果たしていたペースだったという。
レース後、チームのレーシングアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏は「予選では少しオーバードライブしてしまったが、パフォーマンスを発揮し、必要なポイントを獲得するための道を進んでいる」とコメントするなど、ここまで3戦の角田のレース内容を評価している。だが、一方で厳しい意見も飛び交った。
マクラーレンの元メカニックで、現在は英国で専門家として活躍中のブリーストリー氏が、自身の公式YouTube番組「F1 Elvis」でこう見解を示した。
「レッドブルのセカンドドライバーを巡る苦闘は続くのだろうか。確かに(角田の)結果はリアム・ローソンや過去に比べて良くなっているわけではない。セルジオ・ペレスが(セカンドドライバーを)務めた後半から非常に苦戦している」
エースのフェルスタッペンがドライバーズ選手権で4連覇している間にセカンドドライバーを務めたのがペレスだ。ペレスは2021年に同選手権で4位、2022年に3位、2023年に2位と好成績をキープしてきたが、2024年に8位に終わると昨年12月に契約を解除された。
2024年には表彰台に4度上がっているにもかかわらずだ。そして次のセカンドドライバーに選ばれたのがローソンだったが、開幕のオーストラリアGPでリタイヤ、第2戦の中国GPで12位に終わると、三行半を突きつけられ、角田が昇格した。
それらの結果を踏まえた上で、同氏は「今は(角田に)時間を与えなければならないが、それはレッドブルのやりかたじゃない。なぜなら、彼らはリアムに時間を与えなかったからだ」と、角田へ警告を発した。
ただレッドブルは「1年は安泰」と角田の交代がないことを明言している。
さらに同氏はこう続けた。
「(角田)裕毅に時間を与えれば、この状況に対応し始めるだろうし、すでに改善の兆しが少し見えている。ただ望みたくないことだったのだろうが、彼はチームメイト(フェルスタッペン)から1秒遅れという残念な結果に終わった。集団の真ん中に位置するとなると難しい。そこでは乱気流の問題が発生し事故にあうリスクが高くなる。サウジアラビアGPではまさにそれ(ガスリーとの接触)が起きたのだ。乱気流の中の真っただ中にいると前へ行くのに苦労する。レッドブルが苦戦している理由はまさにそこなのだ」
2025年の各チームのマシンが引き起こしている乱気流問題でオーバーテイクが難しくなっているという現状があり、予選で好グリッドを確保していないと、上位進出が難しい。特に中団でのスタートとなると事故のリスクが増すという。角田はまだRB21を完璧にコントロールはできておらず、ここ3戦で、予選の最高位がサウジアラビアGPでの8位だった。