「永久にF1から追放しろ!」罰金を科せられた角田裕毅の中国人ドライバーへの不適切発言を巡って中国のSNSが“大炎上”
F1シリーズ第11戦のオーストリアGP予選で角田裕毅(24、RB)が発した“差別発言”が波紋を広げている。角田は6月29日の予選で、割り込んできた周冠宇(25、ザウバー)へ知的障害者を侮辱するような単語を含む不適切な言葉を浴びせたとして4万ユーロ(約690万円)の罰金を科された。角田は謝罪したが、周の母国・中国は敏感に反応。SNS上で「敵意むき出しの人種差別主義者を永久に競技から追放すべきだ」などと批判を浴びている。角田は14番手スタートだった同30日の決勝で14位に終わった。
罰金は4万ユーロ(約690万円)
角田がチームと交わした無線の内容が、大きな波紋を広げている。
発端は現地時間6月29日に行われたF1シリーズ第11戦、オーストリアGPの予選第1ラウンド。角田が最後のアタックに出ようとしたピットレーンで目の前に周の車両に割り込まれ、減速を余儀なくされた直後だった。
周の行為に立腹した角田は、和訳すれば「こいつら、頭がおかしいんじゃないか」となる、放送禁止用語と差別用語を含めた言葉を浴びせている。
<These guys are fucking retarded>
無線を通して、レースエンジニアのマッティア・スピーニ氏が「いつものことだ。いいじゃないか」と慌ててなだめる声も確認できる。ドライバーとチームの無線を傍聴できるオーストリアGPの審査委員会は、特に<retarded>の部分を問題視。角田を呼び出して事情聴取を行い、4万ユーロ(約690万円)の罰金を科した。
角田が発した<retarded>は、もともとは医学的に「知能の発育が遅い」という意味をもつ形容詞だった。しかし、いまでは「バカ」や「ウスノロ」など、差別的かつ侮辱的な意味合いをもつスラングとして広く認識されている。
F1を主催する国際自動車連盟(FIA)は、ドライバーたちに高いプロフェッショナリズムを求めている。その観点でも、放送禁止用語の<fucking>を含めて看過できない発言だったがゆえに、角田に高額な罰金を科した。
角田は今シーズン第9戦のカナダGPでも、6月9日の決勝前の国歌斉唱時に遅刻したとして、FIAから1万ユーロ(約172万5000万円)の罰金を科されている。
予選後に事の重大さを認識した角田は、日本時間の30日早朝に自身のX(旧ツイッター)を更新。和訳すれば次のようになる英文で、自身の発言を謝罪している。
「今日無線で言ったことについて深くお詫び申し上げます。明らかに故意に使ったわけではなく、私自身もその正確な意味を完全に誤解していました。いまではその言葉の意味をよりよく理解しており、自分の言ったことについて深くお詫び申し上げます。このような言葉は許されず、許容されません。その点についてお詫び申し上げます」
審査委員会は角田が英語を母国語としていない点と、すぐに謝罪して反省の意を示した姿勢を考慮。今シーズン中に同様の違反を繰り返さなければ、罰金の半分にあたる2万ユーロ(約345万円)を免除する決定も追加で下している。