
「破壊の意思を持つ井上尚弥はラスベガスから米国を征服しようとしている」2度戦った元5階級制覇ドネアがモンスターの5.4米防衛戦成功に太鼓判「フェザー級転向は困難だが私より適切に」
プロボクシングの元5階級制覇王者ノニト・ドネア(42、フィリピン)が過去に2度拳を交え、5月4日に米ラスベガスで防衛戦を控えるスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)の成功に太鼓判を押した。トップランク社のYouTube番組に出演して語ったもの。井上は12月には1階級上のWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(28、英国)への挑戦が計画されているが「困難が待ち受けるが私より適切に移動できるだろう」とも支持した。またドネアは井上との3度目の対戦を熱望した。
「井上はこの時代で最高の選手に成長した」
モンスターと2度戦った”フィリピンの閃光”が5月4日にラスベガスのT―モバイルアリーナで防衛戦を行う、かってのライバルの成功に太鼓判を押した。
「井上は私と戦ったときから、この時代で最高の選手に成長した。どこで戦おうと相手を破壊する意思を持っている。だから彼はモンスターと呼ばれるのだ」
今回の世界戦を主催するトップランク社の公式YouTubeのインタビューに答えたもの。4年ぶりの井上の米再上陸は数々のビッグマッチが行われるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」ウィークにラスベガスの”新聖地”T―モバイルアリーナが舞台となる。
「井上はラスベガスを征服することでアメリカを征服したいと思っている。彼はずっとラスベガスで戦うことを望んでいた。多くの日本人がラスベガスにいきたがる。なぜならラスベガスは彼らが子供の頃からよく見てきた場所だからだ」
ドネアは井上が抱く野望をそう推測した。
ただラスベガスを主戦場に5階級制覇を成し遂げたドネアは、そこが特別な場所であることを強調した。井上は4年前に2度ラスベガスで試合をしているがいずれも新型コロナ禍での無観客試合。事実上初めての経験と言っていい。
「ラスベガスはすべてが壮大でそこでの戦いにはエネルギーがいる。周波数(雰囲気)も違い、ファンは、時々残酷にもなる。十分な努力(倒しにいく姿勢)をしていないとブーイングされるだろう」
そしてこう続けた。
「日本のファンはアリーナでとても静かだ、彼らを興奮させても拍手で応援してくれる。日本人はすべてに規律正しい。井上の母国での試合もプレッシャーがあるだろうが、ラスベガスではみんなに期待されることでさらにプレッシャーがかかる。他の都市とはわけが違う」
井上もその点を覚悟して準備を整えてきた。
「メンタルトレを多く入れる。ラスベガスのTーモバイルでやるんだから精神的に強くしないとね。脳のスタミナ、精神的な部分が大事になる」
トレーニングの強度をあげてそれを乗り切ることでメンタルを鍛える。それをやり遂げて井上は米国入りしている。だからロスでの米メディアの囲み取材で「自信しかない」と豪語した。
ドネアも特別なプレッシャーも井上なら跳ね返すと見ている。
「彼は私と似ていて困難に直面したときに立ち向かう姿勢を持っている。彼はここで相手を破滅させるために全力を尽くすつもりのようだ。彼には、どの瞬間であろうとノックアウトを狙うメンタルがある」