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阪神が1点に泣き横浜DeNAに0-1惜敗
阪神が1点に泣き横浜DeNAに0-1惜敗

なぜ阪神及川雅貴の「防御率0.00」神話が崩れたのか…横浜DeNAに狙われた「1.37秒」かかったクイックモーションの弱点

 阪神が15日、横浜スタジアムでの横浜DeNA戦に0―1で惜敗した。森下翔太(24)が無理なタッチアップ狙いで走塁死するなどのミスが僅差のゲームの勝敗を分けることとなり、及川雅貴(24)が18戦目にして初めて自責点を負った。クイック投球に「1.30秒以上かかる」という弱点を横浜DeNAにつかれて足で揺さぶられた。

 9回二死から2つの四球で粘るも

 簡単には終わらない。
 1点を追う9回だ。
 2日前に新潟でまったく同じシチュエーションで横浜DeNAの守護神、入江から起死回生の同点アーチを放った高寺から攻撃が始まった。入江は意地の全球ストレート勝負。高寺はセカンドゴロに打ち取られ、続く木浪も倒れて二死となったが、昨年まで、ここハマスタが本拠地だった代打楠本がファウルで粘り、計10球を投げさせて四球を選ぶ。代走植田は、代打渡邉諒の打席で、カウント1-2から変化球に狙いを絞って二盗に成功した。渡邉も四球で出塁。二死一、二塁となって近本はカウント3-1からのストレートを狙い撃ちした。打球はセンターへ向かったが、横浜DeNAのキャプテン牧が横っ飛びでキャッチ。「(グラブにたまたま)入った」という牧がすぐさまセカンドへトスしてゲームセット。
 藤川監督は、「野球です。相手も素晴らしいチームですから。ギリギリになりますけど、自分たちとしては、いい形を最後に作れたので、(明日も)継続をする…それに尽きますね」と、ギリギリまで追い詰めた戦いを冷静に振り返った。
 1点に泣いた僅差のゲームの明暗を分けたのは記録に残らない小さなミスだった。
 4回だ。無死一、二塁から、大山のレフトの定位置へのフライで、二塁走者の森下はタッチアップを仕掛けた。佐野の肩、タッチアップは想定できない位置、おそらく自分で見える打球に対して、森下なりに計算があって三塁を狙ったのだろう。ジャクソンの前に打線が沈黙。ヒットなしでも得点につながるシチュエーションを作ろうと考えたのかもしれない。だが、林が中継に入った三塁への送球に森下は余裕のアウト。暴走だった。藤川監督は、このシーンについて「特に何もない」とコメントしなかった。その森下の積極性に影響を与えなくなかったのだろう。こういうところの配慮がこの指揮官にはある。
 問題は8回の失点シーンである。先発のデュプランティエが5回を無失点。6回桐敷、7回石井と鉄壁のリレーで横浜DeNA打線にゼロを並べさせ、8回も及川は下位打線から始まる打線を相手に簡単に二死を取った。
 代打は九鬼。2日前に新潟でも代打で三塁打を放っている元ソフトバンクの要注意人物だった。三塁線に引っ張られた打球を佐藤はラインをまたいだ深い位置で捕球すると一塁へ素早くワンバウンド送球した。だが、少しホーム寄りにそれて、ハーフバウンドとなり、体を伸ばした大山のグラブに収まらなかった。佐藤の送球にも正確さを求められるが、たとえハーフバウンドになったとはいえ、大山もなんとか捕球してやらねばならない送球だった。

 

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