
「年老いた井上尚弥ではなく…」と中谷潤人のトレーナーからディスられたモンスターの反論を「まだまだ伸び盛りです」と大橋会長が援護した理由とは?
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(60)が16日、SNSで起きたWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(27、M.T)陣営のトレーナー、ルディ・エルナンデス氏(61)との“舌戦”を歓迎し「まだまだ伸び盛りです」と援護射撃を行った。両者の対戦計画は来年5月の東京ドーム。まだ1年後の話だが、日本だけでなく世界のボクシング界を盛り上げる意味も込めて両陣営は早くも火花を散らしている。
「落ちていくのはパンチをもらう選手」
モンスターが3月31日の年間表彰式でゴングを鳴らした中谷とのスーパーマッチの物語がいきなり読み応えのある序章を奏で始めた。発端は米老舗雑誌「ザ・リング」のインタビューで、中谷の“参謀”エルナンデストレーナーが語ったこの発言。
「明日よりも、今、井上と戦いたい。年老いた井上ではなく、より良い状態の井上と戦いたい。もし来年まで待てば、『井上の年齢がいったからだ』という言い訳が出てくる。今、倒した方が、より評価される。ファイターが少しでも年齢を重ねれば、必ず『もっと若ければ違っていた』との言い訳が出てくるんだ」
現在32歳の井上は中谷と対戦計画のある来年5月には33歳となる。まるで1年後のモンスターが全盛期を過ぎていると言わんばかりの発言だった。
井上は5月4日に米ラスベガスでWBA1位のラモン・カルデナス(米国)と防衛戦を行い、2回にキャリア2度目のダウンを喫しながらも8回TKOで逆転勝利した。モンスターが隙を見せたその試合エルナンデストレーナーは、井上が1年後には全盛期を過ぎていると、推測したのかもしれなかった。
だが、井上は、この発言を見過ごさなかった。
自身の公式Xで「おいおい!!!ルディさん!!! 1年後も全盛期だ。言い訳なんかしない。誰も衰えちゃいないから。まだまだ上の景色を見に行く」と反論したのである。
このモンスターの反撃は日本だけではなく、世界にも波紋を広げ、米専門サイトの「ボクシングニュース24/7」も、「井上が中谷の陣営に反撃 『年を取った』の言い訳『私は衰えていない』」との見出しをとって、今回の両者のやりとりをそのまま紹介した。
そして大橋会長がその井上の反撃を援護射撃した。
5月28日に横浜BUNTAIで、IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦に挑む力石政法の公開練習に出席した大橋会長が、その後の囲み取材で「まだまだ伸び盛りです」と語ったのだ。
「伸びています。(年齢と共に)落ちていく選手はパンチをもらう選手なんです。長くやっているとわかる。スパーとか、試合で打たれると、落ちていくのが早い。この前の試合でもまともにもらったのは、ダウンした一発だけ。井上はスパーでもほぼもらっていない。その心配はないんです」