
歴史的快挙に挑む佐々木尽に4年前に拳を交えた平岡アンディが「世界王者を飲みこんじゃう力がある」と熱烈エール
仰天ニュースも飛び込んできた。46歳の元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)が4年ぶりに現役復帰し、7月19日に米国でいきなりWBC世界ウエルター級王者のマリオ・バリオス(米国)に挑戦するというのだ。すでにWBC5位に入り、それについても物議を醸している。
もし佐々木がノーマンに勝ち、パッキャオがバリオスに勝てば、2人の統一戦という可能性もなくはない。
「パッキャオと(対戦が)できれば盛り上がる。知名度があるので、もしできればおいしい。世界へのアピールもできる」と佐々木は目を輝かすが「(パッキャオがバリオスに)勝てるかな。一回引退しているので大丈夫かな。年齢も年齢なんで難しいんじゃないか…でもわからない」と、パッキャオの王座奪取には疑問を投げかけた。
パッキャオは昨年7月に総合格闘技イベント「RIZIN」に参戦。ボクシングルールのエキシビションでキックボクサーの安保瑠輝也(MFL team CLUB es)と対戦したが、倒すどころか、逆に圧倒されて評価がガタ落ちしていた。
佐々木は4月25日の発表会見でノーマンと戦う夢を「何十回も見た」という話をしていた。倒し倒されの戦いで、勝ったか負けたかは、わからなかったが、最近「4度」ほど見た夢では「泥臭く判定勝利していた」そうだ。
ただ試合後にマイクを持ち「待たせたな世界!」と豪語しようとしたら、観客が誰もいなくなっていたため、マイクを捨ててリングを降りたという。
その夢は一体何を暗示しているのだろうか。
ウエルター級は、かつて「黄金の中量級」と呼ばれ、人気と実力を兼ね備えたスターが名勝負を繰り広げた階級。1980年代には、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ(共に米国)、ロベルト・デュラン(パナマ)らがしのぎを削り、1990年代から2000年代にかけては、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー・ジュニア(共に米国)、パッキャオらが躍動、そして2023年7月には、佐々木も憧れるテレンス・クロフォード(米国)が4団体統一王者となった。
それでも佐々木は「ウエルター級に憧れのボクサーは特にいない。マイク・タイソンは好きだったが」と無関心で「憧れは範馬刃牙ですかね」と、人気漫画「グラップラー刃牙」の主人公の名前をあげ、メディアの笑いを誘った。
ウエルター級は、日本人が世界王者になるどころか、挑戦することすら難しく、過去に世界挑戦を果たしたのは、辻本章次(ヨネクラ)、龍反町(野口)、尾崎富士雄、佐々木基樹(いずれも帝拳)の4人だけ。国内での世界挑戦は、1989年12月にWBA世界同級王者のマーク・ブリーランド(米国)に挑んだ尾崎以来36年ぶりとなる。佐々木が勝てば歴史的快挙。ファンに向かってこう誓った。
「日本の歴史を変えるために人生をかけて生活している。絶対に取って、日本の中量級が盛り上がる第一歩となればいい。勝てる自信しかないです」
今日18日には地元の八王子駅前の野外で公開練習を行う。