
「亀田家最後の戦いよ」亀田和毅は「2対8」の不利予想を覆せるのか…井上尚弥に負けたフルトンがヒント…王者レオ陣営は「ローブローに注意して」とレフェリーに“反則行為”の厳重監視を要請
実は、この日行われたルールミーティングの中で、IBFの立会人、レフェリーに「亀田のローブローを注意深く見て欲しい」と反則行為の厳重監視をわざわざ訴えたのだ。左右のボディアッパーが得意な亀田の武器を牽制する意味もあったのかもしれないが、敵地での防衛戦に神経質になっている。試合当日の1時間前に再度、両陣営でルールなどの最終確認が行われるが、この問題についても再度その場で議題に上げられることが決定したという。
今回の世界戦のテーマは「亀田家最終章」。
史郎トレーナーが亀田家の覚悟を代弁した。
「最後の戦いなのよ。オレらにしたら。和毅もこれで出されへんかったら最後なのよ。だから持っているもんを早く出して欲しいのよ。明日出すよ。オレが出させるしね」
負けたら引退となることを事実上断言した。
そこにはこの階級での世界挑戦が簡単ではないという背景もある。
プロモーターで亀田3兄弟の長男の亀田興毅氏は「両者を合わせて(ファイトマネーは)100万ドル(約1億4000万円)以上かかった」と明かす。3150ファイトの興行史上「過去最高額です」とも言う。
「もう僕と大毅が引退した段階で亀田家は最終章なんです。でも(ライセンス剥奪で)僕らは日本で試合ができない期間があった。和毅は、必ずしもいいボクシング人生を送れていない。当時は、僕はまだプロモーターじゃなかったけれど、3150ファイトの3年で実績と作りながら、ようやく和毅の舞台が作れたんです。勝負はどうなるかわからない。やりきって欲しい。おのずと結果はついてくる」
今回、亀田は、フェザー級のベルトを獲得した向こう側にある井上尚弥の名前をほとんど口に出さなかった。2023年10月のIBFフェザー級2位決定戦を前に挑発を続けたあげく、レラト・ドラミニ(南ア)に惜敗して「井上(尚弥)チャンピオンの名前を出して申し訳ない」と謝罪して以来、その名は封印している。
興毅氏は、「それだけ目の前に集中しているんじゃないですか。レオからすると当然王者でもあるし、防衛を果たしてその後に井上チャンピオンらとの、さらなるビッグマッチに進みたい思いはあるのでしょうが、和毅はこの試合のことしか考えていないんじゃないですか」とその心中を慮った。
亀田和毅が言う。
「強い方が勝つ。それだけじゃないですか」
ABEMAで無料ライブ配信されるタイトル戦の入場は午後5時が予定されている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)