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海外メディアも井上尚弥の2階級4団体統一の偉業を絶賛(写真・山口裕朗)
海外メディアも井上尚弥の2階級4団体統一の偉業を絶賛(写真・山口裕朗)

「誰がモンスターと張り合えるのか」「PFP論争始まる」米メディアが井上尚弥の偉業達成を大絶賛もタパレス母国の比紙は「いつもの衝撃的な試合ではなかった」と報道

 プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一戦が26日、東京江東区の有明アリーナで行われ、WBC&WBO世界同級王者の井上尚弥(30、大橋)がWBAスーパー&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(31、フィリピン)を10ラウンド1分2秒KOで下して史上2人目となる2階級4団体制覇の偉業を成し遂げた。海外メディアも絶賛。米のリング誌は「パウンド・フォー・パウンド(P・F・P、階級を超えたランキング)の1位は誰か?の議論が始まる」と明かし、フィリピンのメディアも「タパレスは踏ん張ったが真のモンスターには及ばなかった」と井上の強さを称えたものの「いつもの衝撃的な試合ではなかった」との見解もあった。

 「年間最優秀選手候補だ」

 

「NAOYA・INOUE」が、また世界に衝撃を与えた。2度ダウンを奪い、10ラウンドKO勝利で達成した2階級4団体制覇の偉業を海外メディアが速報で伝えた。
 パウンド・フォー・パウンドのランキングを発表している米の権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」は「井上が日本の東京の有明アリーナでタフで用心深いタパレスを疲れさせるために力を振り絞り、10ラウンドKOで倒してスーパーバンタム級の統一王座を手にした」と報じた。
 同誌は、各ラウンドの展開に触れつつ「精力的にタイミングのいいジャブで(井上の)距離の外でポジションを保ったタパレスは、第7ラウンドをほぼ奪い(ジャッジ2人がタパレスを支持)、井上の戦いを滞らせてペースを落としてみせた。だが、8、9ラウンドに井上の右をもらい、これらのパンチがベテラン選手(のタパレス)にダメージを与え、10ラウンドに入ってわずか1分で右の大きな一撃と、それに続く右の強烈なストレートがタパレスをロープに押しつけ、キャンバスに手と膝をつかせた」と振り返った。
 同誌は「2023年の2試合で井上は新しい階級で王者となり、年間最優秀選手の有力候補にもなった」と明言。
 現在は、7月に先に2階級4団体統一に成功したテレンス・クロフォード(米国)が、同誌が選定するパウンド・フォー・パウンドの1位で、井上が2位にランクされているが、「誰が年間最優秀選手で、誰がパウンド・フォー・パウンドの1位に値するかの議論を始めよう」と明かした。
 同誌は、また「ランキングや表彰について筋金入りのハードコアなボクシングファンやメディアが議論していく一方で、井上の戦いを楽しんでいるファンたちは、彼が次に誰とどの階級で戦うのかについて思いを巡らせている」とした上で井上の次戦について触れた。
 井上がスーパーバンタム級に留まる意向を示したことを伝え、来年5月の初防衛戦の相手として元WBA&IBF世界同級王者で12月16日にWBA挑戦者決定戦に勝ったムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、元2階級制覇王者の“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)の名前を列挙した。
 全米に、この試合をライブ中継したESPNは、「ナオヤ・“ザ・モンスター”・イノウエと張り合える選手はいるのか」との見出しを取り、今後の展開についての考察記事を掲載した。
「試合ごとに井上の偉大さをまとめていくことが難しくなってきた。それは“ザ・モンスター”が、リングで語り尽くされる彼のボクシングやキャリアに新たな要素を付け加えていくことを止めないからだ」と書き出し「彼はスーパーバンタム級での2試合目でタパレスを倒し比類なき才能が披露された」と井上のKO勝利を伝えた。

 

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