
「森下翔太が後逸していなければサヨナラ走者は生還できなかった?!」なぜ阪神は49年ぶりの屈辱の5試合連続逆転負けをしたのか…楽天戦の記録に残らないミスと響く石井大智不在
阪神が14日、仙台・楽天モバイルでの楽天戦で延長10回に4-5でサヨナラ負けし、今季ワーストの5連敗。5試合連続の逆転負けは49年ぶりの屈辱となった。阪神は3回に2点を先制し、7回に逆転を許すも9回に追いつき延長戦にもつれこんだが、延長10回に岩貞祐太投手(33)が3連打を浴びて、森下翔太(24)の痛恨の後逸もあってサヨナラ負けを喫した。阪神は交流戦で対楽天に2023年から6連敗となった。
延長10回に岩貞が二死から3連打を浴びる
5時間を超える仙台での「雨中の死闘」にまたしても悪夢が待っていた。
4-4で迎えた延長10回だ。藤川監督は今季11試合で防御率0.87の岩貞を3連投のマウンドに送った。先頭の小郷のレフトを襲う打球を森下がスライディングキャッチ、さらに村林のライトへの打球を今度は佐藤がスライディングキャッチ。執念のプレーで岩貞を援護した。だが、二死を取ってから、小深田、途中出場の黒川に連打を浴びて一、二塁とされ、9打数ノーヒットの石原に甘く浮いたスライダーをレフト前へ運ばれた。
石原は「雨が降っていて捕られるかなと思った」という。
前進守備を敷いていた森下は猛チャージをかけた。雨でスリップしハーフバウンドとなったその打球をグラブの先にかすかに当てながらも後逸。サヨナラの走者がホームを駆け抜けていった。
現役時代のタイトルを獲得している評論家の一人は、「もし捕球をしていれば、たとえバックホームをしていなくとも、二塁走者は生還できなかっただろう。あの場面では、シュア・アンド・クィックが基本だが、気持ちがはやってクイックが先にいったと思う。確かに雨の中での難しいプレー。だが、それは言い訳にはならない」と厳しく指摘した。
森下は、前日のゲームでも、4回一死満塁からのレフトファウルフライでのタッチアップに対して、タイミングは間に合わなかったのにもかかわらず強引にダイレクトでバックホームを試みて、2人の走者の二、三塁への進塁を許していた。
佐藤の三塁からライトへの緊急コンバートに伴い、森下もライトからレフトを守るようになって、これが17試合目。同評論家は、「こういうギリギリのプレーでは、レフトでのプレーに慣れていないというマイナス要素の影響は否定できない」とも付け加えた。
これで5試合連続の逆転負け。阪神では1976年8月1日の巨人戦から6日の中日戦以来、49年ぶり2度目の球団ワースト記録の屈辱である。
スポーツ各紙に報道によると、藤川監督は、「ファンの方も応援してくれている中で選手たちも必死にやっていますから。明日、しっかりとみんなで頑張る。それに尽きます」とだけ短くコメントしたという。
なぜ5試合連続の逆転負けが起きたのか。
前出の評論家は、「頭に投手ライナーが直撃した石井大智の不在の影響がずっと響いているが、やはり必ず記録に残るミス、残らないミスが失点につながっている。やるべきことができていない」と指摘した。