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井上尚弥とWBA世界フェザー級王者のニック・ボールとの対戦計画が白紙撤回か(写真・山口裕朗/ロイター/アフロ)
井上尚弥とWBA世界フェザー級王者のニック・ボールとの対戦計画が白紙撤回か(写真・山口裕朗/ロイター/アフロ)

衝撃!井上尚弥の12月サウジで計画のWBA世界フェザー級王者ニック・ボールへの挑戦は消滅か?5階級制覇への挑戦は来年5月の中谷潤人とのスーパーマッチ後に軌道修正の可能性が浮上

 父の真吾トレーナーも「スーパーバンタム級が一番いいんじゃないですか。上背がないですからね。本人もパワーが通用するのは、フェザー級までと思っているんじゃないですか。自分は昔から言っていますが、もっと上(の階級)にいっても、冷静にヒット&アウェーをしてポイント勝負の戦いをすれば誰にも負けませんよ。でもそういう戦いは尚のプライドが許さない。体がパンパンに膨れあがってアウトボクシングをする尚って誰も見たくないじゃないですか?そもそも尚の体(哲学)が許さない。ただフェザーでは、フルマックスで練習して挑むことになる」という話をしていた。
 フェザー級転向には、しっかりとした準備期間が必要になる。9月14日のアフマダリエフ戦の後のたった3か月でフェザー級の肉体を作り、しかも、その後にもう一度、中谷戦に向けてスーパーバンタム級に戻す作業には大きなリスクを伴う。
 中谷戦をスーパーバンタム級の“卒業マッチ”と位置付けて、そこからフェザー級へ本格転向するのが順当なプランだろう。
 すでに井上に対してボールだけでなく、次々とフェザー級の王者がラブコールを送ってきている。
 ラスベガスのセミファイナルで7回TKO勝利で防衛に成功したWBO世界フェザー級王者のラファエル・エスピノサ(メキシコ)が「井上と戦うのが目標」とリング上で宣言。5月24日に大阪で僅差の判定勝利で亀田和毅(TMK)の挑戦を退けたIBF世界同級王者のアンジェロ・レオ(米国)も「井上が階級を上げた段階でいつでも戦える。自信はある。オレのスタイルなら勝てるよ」と豪語した。またスーパーバンタム級の王者時代に井上に倒されたWBC世界同級王者のスティーブン・フルトン(米国)もカルデナス戦後のXに「再び会うことがあるだろう」とリベンジ戦をほのめかしている。
 これらの猛者たちを相手にしていくには、中途半端な転向計画では困難だ。来年の中谷戦以降に本格的に転向する計画が理想的だろう。
 あくまでも現段階では、計画の軌道修正が検討されているレベル。完全に12月のボール戦が消滅したわけではない。だが、もしフェザー級転向を先延ばしする場合には、12月にサウジアラビアで誰と戦うのか。
 その場合の候補は、一度は5月4日の米ラスベガスでの対戦相手として内定していたものの周囲の反対で辞退することになったWBC1位のピカソ、そして12月24日、1月24日と2度も左目上のカットでドタキャンしたIBF&WBO1位のグッドマンの2人の指名挑戦者が有力だという。
 グッドマンは5月14日に地元の豪州シドニーで井上の元スパーリングパートナーであるセザール・バカ・エスピノーザ(メキシコ)に3-0判定で勝利。試合後「井上に挑戦したい。チャンスが欲しい。井上が逃げているとか、そういうことを言っているわけではない」と懲りずに対戦を要求していた。
「リヤドシーズン」を取り仕切るビッグマッチ好きのサウジアラビアの総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官がそのカードで納得するかどうかという問題は残るが、いずれにしろモンスターの未来に希望は膨らむ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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