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  • え?もう?ウエルター世界戦で失神KOの佐々木尽が「スピード、パワーは通用。最終的には技術の差。覚えていけば勝てる」と記憶を取り戻して再起宣言…陣営は「王者の実力を見誤った」と猛省
5回失神KOも佐々木尽(右)が王者のノーマンにパンチを浴びせたシーンもあった(写真・山口裕朗)
5回失神KOも佐々木尽(右)が王者のノーマンにパンチを浴びせたシーンもあった(写真・山口裕朗)

え?もう?ウエルター世界戦で失神KOの佐々木尽が「スピード、パワーは通用。最終的には技術の差。覚えていけば勝てる」と記憶を取り戻して再起宣言…陣営は「王者の実力を見誤った」と猛省

 ただ解説した元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太が「ノーマンはここから統一王者、パウンド・フォー・パウンドに評価されるようになっていく能力を持った王者」と評価するなど、ノーマンが、今後、統一王者への道へ突き進んでいく可能性は高い。
「リング誌」が、WBA&IBF世界同級王者、ジャロン・エニス(米国)のタイトル返上、スーパーウエルター級への転級を報じたが、7月19日に行われるWBC世界同級王者のマリオ・バリオス(米国)と、4年ぶりにリング復帰した46歳の元6階級制覇王者、マニー・パッキャオ(フィリピン)との勝者との戦いに対してノーマンは、「興味がある。過去に殿堂入り選手が必ず持っているWBCのベルトが欲しい」と言及していた。今回の完敗でランキングを下げる佐々木の手の届かない場所へノーマンは駆け上がるだろう。
 だが、中屋会長は、佐々木をもう一度、長期計画で再生させるプランを温めている。
「もともとは、23歳で世界ランカーとの対戦を経験し、25歳で世界ランカーの上位との戦いに生き残り、実力をつけた上で、26歳から27歳でチャンスがあれば世界に挑みたいというプランでした。ウエルター級のどこかでベルトが取れるような隙があればという考え方ではなく、もう一度、地力を鍛えウエルター級王者と互角に渡り合える実力をつけていきたい」
 中屋トレーナーも「大きな基礎を作り直したい」と佐々木の再生プランを明かしているという。世界挑戦は、まだ時期早尚だったが、この経験は無駄にはならない。関係者の誰もが「凄い」と舌を巻いた王者に対して、2度のダウンから立ち上がり勇敢に立ち向かったファイトはファンに失望以上の感動も与えた。
 ノーマンもこうエールを送っていた。
「彼は真のファイターだった。未来のチャンピオンになる可能性がある」
 その言葉を信じて3年後、4年後にチャンスを自らつかみとるしかない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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