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公式会見に出席したWBC王者の中谷潤人(左)とIBF王者の西田凌佑(右)
公式会見に出席したWBC王者の中谷潤人(左)とIBF王者の西田凌佑(右)

WBC&IBFバンタム級統一戦を前に中谷潤人の「打たれ弱いのか」論争…“ナニワの仕掛け人”への秀逸アンサーと2人の王者が揃って無視した井上尚弥戦

 プロボクシングの『Prime Video Boxing 13』(8日・有明コロシアム)の公式会見が6日、“聖地”後楽園ホールで行われた。メインで対戦するWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(27、M.T)とIBF世界同級王者、西田凌佑(28、六島)で“プチ論争”となったのが、ビッグバンが「打たれ強いのか、打たれ弱いのか?」という問題。そこに中谷は秀逸な答えを用意していた。海外のブックメーカーの予想オッズは1対7で中谷が圧倒的に有利となっている。

 「積み上げてきたものを爆発させる」

 “聖地”後楽園ホールのリングが取り外されそこに記者会見場が設営された。ここ30年で記憶にない珍しい演出だった。その最前列に2つのベルトを挟んで並んで座ったのがWBC世界バンタム級王者の中谷とIBF世界同級王者の西田の2人。示し合わせたかのように同じような黒のジャージ姿で互いにコンディション良く仕上がっていることを報告した。
「統一戦の舞台に立たせてもらえることに感謝して今まで積み上げてきたものを爆発させていきたい。あとしっかりと体重を整えて、6月8日にすべてを発揮したい」
 自らが考案した「ビッグバン」という称号に合わせたかのように中谷が「爆発」というワードで決意を表明すると西田は「勝つ」という言葉を使った。
「中谷選手に勝つために武市トレーナーと考えて練習してきた。それを出せるように頑張りたい。バンタム級という憧れていた階級で統一戦ができることが嬉しいし、中谷選手と戦えることでモチベーションが上がる」
 試合の決着イメージについても2人に質問した。
 中谷は「長いラウンドを戦うことも想定して、長いラウンドのスパーもしてきた。判定も見据えて動ける体を作ってきた」と返した。中谷は減量苦から解放されたバンタム級に転級して世界戦で4試合連続KO中。それでも判定までもつれこむことも想定して準備をしてきたことを明かした。
 一方の西田は、「判定かKOかわからないが、やってきたことが出せれば勝てるんじゃないか。内容よりも絶対に勝ちたい」と答えた。
 率直な心境だろう。
 ひとつ確かめておきたいことがあった。2日に西田が大阪で公開練習を行った際、六島ジムの枝川孝会長が、わざわざ視察に訪れたM.Tジムの村野健会長に「中谷選手って打たれ弱いんですか?」と会見中に逆質問したことの真意だ。話題作りの上手い“ナニワの仕掛け人”枝川会長流のメディアサービスだとは感じていたが、“策士”でもある会長の秘めた狙いを聞いておきたかった。
 枝川会長は誤魔化すことなく真摯に説明した。
「記者さんに対するサービスもあった。大阪でやっていたもんで、東京は雰囲気が違ってなかなか(サービス的な発言は)言い辛いが。たまたま(ジムの)エレベーターで村野会長とバッタリと会って、“え?見に来はったんですか?”とビックリした。(来てくれたのなら)会長にも登場してもらわなあかんと思って失礼な質問をさせていただいた。大阪のノリってことでご辛抱下さい」
 そう村野会長に謝罪した。

 

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