
「角田裕毅は窮地に追い込まれている」元F1レーサーがレッドブルが特例ライセンスを申請したリンドブラッドが「セカンドドライバーの完璧な後任者候補」との見解
レッドブルからF2に参戦している神童で、F1スーパーライセンスの特例発行が申請されているアービッド・リンドブラッド(17、英国・スウェーデン)が、苦戦が続く角田祐毅(25)の脅威になると英国メディア『CRASH.net』が9日に報じた。元F1ドライバー、ジョニー・ハーバート氏(60、英国)の「角田の後任として彼は完璧な候補者だ」とする見解とともに伝えた。対する角田はオランダメディア『RacingNews365』で「自信を失ったわけではない。ゆっくりと積み上げているだけだ」と、13日(日本時間14日)開幕の次戦カナダGPへ強気な姿勢を見せている。

まだ17歳のレッドブルの秘蔵っ子が角田の脅威に
角田の周辺がきな臭くなってきた。
レッドブルがF1スーパーライセンスの特例発行を、国際自動車連盟(FIA)に申請したとして大きな注目を集めている17歳のリンドブラッドについて、英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.net』がこう報じた。
「角田のシートに対する脅威としてレッドブルの秘蔵っ子の名前が挙がった」
FIAはもともと、F1への参戦資格となるスーパーライセンスを取得できる最低年齢を18歳と定めていた。同時に昨年には17歳でも卓越かつ成熟した才能を示せば、FIAの裁量でスーパーライセンスを特例で取得できる項目が加えられた。
この新たな項目をレッドブルが利用した。
昨季のF3でランキング4位につけ、今季からステップアップしたF2でも2度の優勝を含めて3位をキープ。スーパーライセンス申請に必要なポイントもすでに獲得しているリンドブラッドの存在について、同メディアは、レッドブルの前身ジャガーを最後にF1界から引退した、ハーバート氏の見解をこう伝えた。
「レッドブルが今後、苦戦を続ける角田と別のドライバーとの入れ替えが必要だと判断した場合、角田の後任としてリンドブラッドは完璧な候補者となる。レッドブルのジュニアチームでカートに乗っていた当時14歳のリンドブラッドを初めて見たときから、常に大きな期待をかけてきた。フェルスタッペンよりも優れたドライバーが今後現れるとすれば、それはリンドブラッドしかいないと言っていい」
レッドブルの重鎮ヘルムート・マルコ氏(82)との出会いもあって、リンドブラッドは秘蔵っ子と呼ばれてきた。もっとも、スーパーライセンス取得申請が報じられた当初は、スペインGPのレース終盤にメルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)と接触したフェルスタッペンに、10秒のタイムペナルティーとペナルティーポイント3が科され、出場停止にリーチがかかったエース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)の欠場を埋める上での選択肢のひとつと見られていた。
リンドブラッドのスーパーライセンス取得が承認されれば、レッドブルはフェルスタッペンと角田、姉妹チームのレーシングブルズのリアム・ローソン(23ニュージーランド)と新人アイザック・ハジャー(20、フランス)、リザーブの岩佐歩夢(23)、そしてリンドブラッドと6人のドライバーを傘下に擁する形となる。
実際にフェルスタッペンが出場停止となった場合には、3戦連続入賞と絶好調のハジャーが1レース限定でレッドブルへ昇格。空いたレーシングブルズのシートを岩佐か、あるいはリンドブラッドかで争うと見られていた。
だが、英国のスポーツ専門放送局『sky sports』は「レッドブルは数週間前に、リンドブラッドへのスーパーライセンス特例発行をFIAへ申請していた」と報じた。申請はスペインGPよりも前でフェルスタッペンの出場停止危機は“後付け”だった。