
「角田裕毅は窮地に追い込まれている」元F1レーサーがレッドブルが特例ライセンスを申請したリンドブラッドが「セカンドドライバーの完璧な後任者候補」との見解
前出のハーバート氏は、「リンドブラッドの成長の速さを考えると、彼をレッドブルの2番手シートに座らせたいと考えるはずだ」と予想した。
「今現在の角田のように、期待されている仕事ができなければ、非常にタフなメンタルゲームでもあるF1では常にシートを失う危険がある。ピエール・ガスリー、アレックス・アルボン、セルジオ・ペレス、そして今季2戦を終えた直後にシートを角田に奪われたリアム・ローソンが、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦労したのと同じ構図のなかで、角田は間違いなく窮地に追い込まれている」
フェルスタッペンが出場停止となった場合の代役を務めるリンドブラッドは、同時にレッドブルのリザーブとしてスタンバイ。角田に改善の兆しが見えなければ、シーズン中の交代に踏み切る、というのがハーバート氏の見解だ。
第3戦の日本GP前にローソンと入れ替わってレッドブルへ昇格した角田は、9位に入賞した第4戦のバーレーンGPが現時点で最高位。ここまで獲得したポイントは「7」に留まり、第7戦以降のヨーロッパ3連戦では、獲得したポイントがわずか1ポイント。
エミリア・ロマーニャGPでは公式予選1回目(Q1)で大クラッシュを喫しながら10位に入賞した。しかし、モナコGPは完走した18台中で17位。先のスペインGPでは、ピットレーンスタートから13位でチェッカーを受けるのが精いっぱいだった。何よりも3連戦で一度も公式予選3回目(Q3)に進んでいない。
それでも角田は強気な姿勢を崩していない。
オランダのモータースポーツ専門メディア『RacingNews365』によると、13日から始まるカナダGPへ向けて角田は、こう語っている。
「すべてにおいて、まだ進歩を積み重ねているところだ。マシンを完全に理解するまであと少し、最後のコンマ数秒のところまできている。新しいマシンの場合、レース中にどのように振る舞うのかを正確に知るのは本当に難しい。なぜなら、それらは経験に導かれるからだ。レーシングブルズの4年間は、次に何が起こるのかを正確にわかっていたので、あれこれと考える必要はなかった。自然と体が反応した結果、速く運転できていた。そのような状態が、必ず訪れると信じている」