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那須川天心が挑むのは中谷潤人が返上する可能性が濃厚のWBCのベルトか(写真・山口裕朗)
那須川天心が挑むのは中谷潤人が返上する可能性が濃厚のWBCのベルトか(写真・山口裕朗)

中谷潤人が井上尚弥戦に備えてWBC&IBFバンタム級王座を返上なら空位争いに那須川天心と井上拓真に参戦資格あり

 プロボクシングのバンタム級の2団体統一王者となった中谷潤人(27、M.T)が来年5月に東京ドームで計画されているスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)とのスーパーマッチに向けてWBC&IBFの同王座を返上することが濃厚になった。空位となれば王座決定戦で、新王者が決まるが、WBC王座には1位の那須川天心(26、帝拳)、IBF王座には元WBA世界同級王者で5位の井上拓真(29、大橋)が挑む可能性が出てきた。

 

中谷潤人が王座返上を示唆(写真・山口裕朗)

 

 IBF王者の西田を病院送りにして2つのベルトをまとめた中谷が一夜明け会見でバンタム級の王座返上を示唆した。
「いろんな選択肢がある。スーパーバンタム級へいくといったところも大きく思っている部分はあります」
 3つ目のベルトに挑む可能性があるのであれば、まだバンタム級に居残る可能性もあっただろう。だが、WBAは堤聖也(角海老宝石)が休養王者となり、7月に横浜で正規王者に昇格したアントニオ・バルガス(米国)に元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)が挑む予定で、その勝者が堤との王座統一戦を戦うことが義務づけられている。
 またWBOは武居由樹(大橋)が9月14日に同級1位のクリスチャン・メディナ(メキシコ)と指名試合を行う予定でこちらも中谷と戦えるスケジュールの空きはない。来年5月に東京ドームで井上尚弥とのスーパーマッチが計画されている中谷からすれば、王座を返上して、秋にもスーパーバンタム級のテストマッチを消化するのが理想的なのだろう。
 そうなると気になるのが返上されるWBC&IBFの2つのベルトの行方だ。空位になると王座決定戦が行われる。基本的にはランキングの1位と2位が対戦することとなる。WBCは1位が天心。文句無しに王座決定戦への出場機会を得る。
 8日のWBA6位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)との対戦ではダウンこそ奪えなかったが、ジャッジの一人が100-90とつける圧勝で、世界前哨戦をクリアした。
 天心本人は「つめの甘さが出た。自分のボクシングをつきつめていかなくちゃいけない」と反省ばかりだったが、「世界に何か足りない?足りなくはない。下がったというより現状維持。進んでいくしかない。那須川天心である以上求められるものは大きい。課題だったり普通の人が時間をかけられるものをかけられない。そこをつきつめていって、また進んでいかないといけない」と自分に言い聞かせていた。そして天心らしくポジティブにこうも表明した。
「どこ(誰)に挑戦というのはない。すごいところに足を踏み入れていると改めて思う。すべてをかけて自分がどうなってもいいという生半可ではない気持ちを見せないと勝てない。そこに向きあって、全部のベルトを目指すつもりでいる。どのベルトになるかわからないが、一歩一歩近づいていくしかない」
 11月に予定されている「Prime Video Boxing」がその世界初挑戦の舞台になるだろう。

 

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