
「できるだけ多くのポイントを稼げ!」カナダGPに挑む角田裕毅にレッドブル重鎮が厳命…日本人初の通算100レースとなる角田は「特別な機会にふさわしい結果をマークする」と決意
日本時間14日にモントリオールでカナダGPが開幕するが、不振の続くレッドブルの角田裕毅(25)へモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)が「できるだけ多くのポイントを稼げ!」と厳命を下した。ドイツの一般メディア「KLEINE ZEITUNG」が伝えたもの。英専門メディアが「今季限りで解雇の見込み」との情報を伝えるなど、置かれた立場が危うくなってきた角田への風当たりがますます強くなってきた。角田はカナダGPで日本人では初のF1通算100戦目の節目のレースとなる。
「我々のプランは角田がシーズンの最後まで走り切ることだ」
カナダGPを前に角田へレッドブルの重鎮からの厳命が下った。
「ポイントを稼げ! 理想を言えばできるだけ多くのポイントをだ」
ドイツの一般メディア「KLEINE ZEITUNG」がチームの重鎮であるマルコ氏のコメントを伝えた。マルコ氏は、「彼はすでにレースで自分の仕事をうまくはやっているけど、予選では苦戦している。特に何らかの変化があると、彼は問題を抱える」とも指摘した。
角田は日本GPからレッドブルに昇格して、ここまで7戦を消化しているが、最高位はバーレーンGPの9位で、昇格後に獲得してきたポイントは「7」に留まっている。
マルコ氏が指摘するように予選で苦戦してQ3に進出したのはわずかに3レース。
エミリア・ロマーニャGPでは、公式予選1回目(Q1)で大クラッシュを喫しながらも10位に入賞したが、モナコGPは完走した18台中で17位。先のスペインGPでは、ピットレーンスタートとなり13位に終わり、ここ3戦続けてQ3に進んでいない。
角田もその点は自覚しており、豪州の専門メディア「Speed cafe」によると「スペインの後、より良い予選を行わなければならない。そのための努力をしてきた」と口にしているという。
スペインGP後、2日間、バルセロナでテストを実施し、その後、英ミルトン・キーンズでのシミュレーターも重ねた。
「レース後、バルセロナで2日間しっかりとテストを行い、ミルトン・キーンズでもシミュレーションに参加した。だから、一緒に一生懸命働いてきたし、今はレッドブル・レーシングのマシンで多くのマイルを走っている」
ずっとRB21への適応に苦労してきたが、レッドブル昇格後8戦目となるカナダGPに向けての手応えはつかんでいる。マルコ氏の「ポイントを稼げ!」の厳命に応える準備はできている。
ただ置かれた立場は厳しい。
前出のドイツの「KLEINE ZEITUNG」は、マルコ氏の「我々のプランはユウキがシーズンを最後まで走り切ることだ」とのコメントを紹介した上で、こう見解を伝えた。
「この日本人はパフォーマンスを向上させなければ、レッドブルでの長期的な将来をアピールできない。角田が引き続き後方集団に留まるなら、彼の大きな夢はすぐに消えてしまうかもしれない。一部では、今季中にレッドブルで再びドライバーの交代が起こる可能性があると噂されている」