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センバツ準Vなど甲子園を沸かせた西武の山田陽翔が阪神の反撃を許さなかった
センバツ準Vなど甲子園を沸かせた西武の山田陽翔が阪神の反撃を許さなかった

なぜ西武はセ首位の阪神に3連勝できたのか…8回一死満塁の大ピンチに佐藤輝明を牽制で刺したサインプレーの裏舞台と甲子園スター山田陽翔の覚醒

 山田の急成長とともに、西武の中継ぎ陣はさらに層が厚くなった。
 阪神との3連戦でも、ともに今季から加入したエマニュエル・ラミレス(30)とトレイ・ウィンゲンター(31)、加入2年目の甲斐野央(28)、左ひじのトミー・ジョン手術から復帰して今月支配下登録された佐々木健(29)、そして山田が登板している。
 山田は好調なブルペン陣が、お互いを刺激しあっていると笑う。
「すごくいいピッチャーばかりなので負けないようにしたいし、同時にみんなもチームの勝利のために投げているので、自分も勝利のために頑張っています」
 ブルペン陣が強力だから、先発陣も思い切り投げられる。初戦は左腕・隅田知一郎(25)が7回2失点、第2戦では右腕・渡邉勇太朗(24)が7回1失点と踏ん張り、中継ぎ陣へバトンを託す展開から逆転勝利をもぎ取った。
 第3戦を託された左腕・菅井信也(21)も、初回こそ森下に先制の11号ソロを浴びながら、その後は4イニング連続でスコアボードに「0」を刻む。粘投で、6回以降の甲斐野、ウィンゲンター、山田、平良の無失点リレーにつなげた。
 2021年の育成ドラフト3位で、山形県の山本学園高から入団。昨年6月に支配下登録され、4年目の今季は開幕から先発ローテーション入りし、チーム2位タイの5勝目をあげた菅井は、今後へ向けた反省点をあげるのも忘れなかった。
「森下選手に対して甘く入ったところをホームランにされた点は反省です。5回を投げて3四球はよくないので、もっとゾーン内で勝負できるようにしていきたい」
 一方の西武打線は、交流戦の前半9試合を終えて唯一の本塁打「0」となっている。
 対照的に阪神打線は、12球団で最多の11本塁打をマーク。西武との第2戦では佐藤が両リーグを通じてトップの18号を放ち、この夜は森下がレフトポール際へ弾丸ライナーを一閃。セ・リーグの2位タイへ浮上した。
 西武のチーム本塁打24本は、楽天と並んで両リーグで最も少ない。それでも今季で20回目を迎えた交流戦で、阪神との同一カード3連戦で初めて3連勝を、それもすべて逆転で達成した要因は、しぶとく積み重ねたシングルヒットにある。
 その象徴と言える場面が2回に訪れた。
 先頭打者の6番・山村崇嘉(22)が初球をライト前へ弾き返した。佐藤がダイレクトでキャッチしようとチャージするも、わずかに届かず後逸。ボールがフェンス際へ転がる間に山村は一気に三塁まで進んだチャンスで、一死後に長谷川が右打席に入った。

 

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