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レッドブル角田裕毅はカナダGPで痛恨の10グリッド降格処分を受け決勝は最後尾スタートに(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル角田裕毅はカナダGPで痛恨の10グリッド降格処分を受け決勝は最後尾スタートに(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「馬鹿げている。あの状態で僕に何をしろと言うのか」角田裕毅が赤旗中の追い抜きで10グリッド降格の厳罰処分に激怒も…カナダGP決勝は最後尾スタートの試練

 

 角田が決勝を最後尾でスタートさせるのは、2戦連続、この4戦で3度目となる。
 第7戦のエミリア・ロマーニャGPは、Q1でマシンを大破させるクラッシュを喫してタイムなしで敗退。前戦のスペインGPではなす術なくQ1の最下位に沈み、予選後には「ペースが突然、地獄のように落ちた」と肩を落とした。
 カナダGPでもペースが上がらず、ブレーキ系統のトラブルもあってFP3のタイムは20番手だった。苦戦を強いられるなかで、この日からようやくアップグレードされたフロアが提供され、メカニック陣の懸命の調整もあってマシンのバランスも向上しかけていた。その矢先に科された厳罰に、角田の怒りは収まらなかった。
「オスカーを追い抜いた場面で、僕は極端にコースの右へ寄り、オスカーの前方と僕の後方をチェックして他車はいないと確認した。その上で時速170kmと、僕たちが通常運転する半分程度の速度で追い抜いた。それでペナルティを科されたのは理解できない。少なくとも昨年までの2年間で、決勝を20番グリッドでスタートさせた経験はほとんどなかった。本当に楽しくないし、フラストレーションが溜まるけど、いまとなっては仕方のないこと。決勝でポジションを上げていくしかない」
 ヨーロッパを舞台にしたエミリア・ロマーニャGP以降の3戦で、角田はわずか1ポイントしか獲得できなかった。英国メディアでは今季限りの解雇が報じられ、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)からは、カナダGPへ向けて「できるだけ多くのポイントを稼げ」と厳命された。
 来季は解雇される自身に代わって、ハジャーがレッドブルへ昇格。レーシングブルズのシートは、特例でF1スーパーライセンスを取得したばかりの神童、アービッド・リンドブラッド(17、英国・スウェーデン)が獲得するという一部の報道を見聞きしていた角田は、背水の陣を敷く覚悟を込めるかのように、こんな決意を示していた。
「まずは絶対に公式予選でQ3に進まなければいけない。僕が本当のパフォーマンスを発揮しない限り、何が起こるのかは自分自身が誰よりもわかっている。そして、それ(解雇)は僕がいるべき場所ではない」
 しかし、結果はQ2敗退と想定外かつ納得できないペナルティ。日本人ドライバーでは初めてF1通算100戦目を迎えている角田にとって背水の決勝は日本時間16日午前3時スタートだ。

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