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カナダGPで18番手スタートとなったレッドブル角田裕毅は12番手まで挽回したが入賞ならず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
カナダGPで18番手スタートとなったレッドブル角田裕毅は12番手まで挽回したが入賞ならず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ほとんど何もできなかった」レッドブル角田裕毅は18番手から12番手に順位上げるも”1ストップ作戦”不発でカナダGPでも入賞逃す

 F1の今季第10戦、カナダGPの決勝が15日(日本時間16日)、モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われ、最後尾18番グリッドでスタートしたレッドブルの角田裕毅(25)は、追い上げを見せたものの12位に終わった。1周4.361kmのコースを70周する決勝で、57周目で初めてピットイン。タイヤをハードからミディアムに交換する“1ストップ作戦”で勝負に出たが、レッドブルの公式インスタグラムに投稿された動画で「ほとんど何もできなかった」と、3戦連続の獲得ポイントなしに悔しさをにじませた。

 一時は入賞圏内の10位まで順位を伸ばすも

 勝負をかけた奇策も入賞とポイント獲得につながらなかった。
 前日のフリー走行3回目(FP3)で赤旗掲示中に他車を追い抜いたとして、10グリッド降格のペナルティを科されて迎えた決勝。2台がピットスタートを選択し、20番グリッドから18番グリッドとなった角田はハードタイヤを装着。その上でタイヤ交換をできるだけ引っ張る“1ストップ”作戦に打って出た。
 決勝をリアルタイムで速報していたF1公式サイトは、41周と半分を少し超えた時点での状況を「まだピットインしていないドライバーたち」として、こう伝えた。
「ボルトレート、ガスリー、サインツ、オコン、そしてツノダはまだピットインしていないため、ハードタイヤのままさらに周回を重ねることになる。彼らは燃料をフルに搭載した状態で、ハードタイヤで走行してきた。非常に注目すべき点だ」
 カナダGP決勝を迎えたモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、現地時間15日午後2時のスタート時の路面温度が実に50度の高温に達していた。
 タイヤの摩耗を考えれば、常識的には2度のピットインが必要となる状況で、角田はタイヤ交換を一回だけにとどめる“1ストップ作戦”に打って出た。
 緻密なタイヤマネジメントと丁寧なドライビングを両立させ、その上でタイムロスを最小限に抑えるバランスも求められる展開で、徐々に浮上。他車のピットインなどもあって、22周目には10位と入賞圏内にまで順位を上げた。
 しかし、周回を重ねるごとにタイヤの差が出てくる。迎えた57周目。初めてピットインした角田は、ミディアムタイヤに交換。しかし、作業に約3.7秒もの時間を要し、コースに復帰したときの15番手から3つ上げるのが精いっぱいだった。
 追い打ちをかけるように、ともに“1ストップ作戦”を敢行し、58周目でピットインして9位に入賞したハースのエステバン・オコン(28、フランス)、10位のウィリアムズのカルロス・サインツ(30、スペイン)の後塵を拝した。
 レッドブルがレース後にチームの公式インスタグラムに投稿した短い動画のなかで、角田は不完全燃焼の思いを英語で表している。
「18番手とまたしてもグリッド最後尾からのスタートで、ほとんど何もできなかった。そのなかでも、ペースは悪くなかった。少なくとも前回までのレースよりはよかったし、その点はポジティブにとらえたい。ベストを尽くしたけど、実はセーフティカーが出動する状況をちょっと待っていたのもある」

 

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