
「スーパーエキサイトだ」カーショーも祝福の大谷翔平の二刀流復帰が早まった理由と復活が成功する可能性とは…「二刀流スーパースターとしての将来は今危ういところにある」との米報道も
また二刀流ゆえの特殊な調整の問題もあった。
ESPNによると「(試合前の)ライブBPへの登板は、大谷の体への負担が大きい。クールダウンした後に指名打者として試合に出場するために再び状態を上げる必要があった。チームや大谷に詳しい関係者によると、投球と打撃を同時にこなすことの方が、彼の体にとっては負担が少ない」という。
ロバーツ監督も「ライブBPに労力を使うなら試合で使いたい」と説明した。
つまり試合前に、ライブBPを行い、インターバルをとった後に数時間後に打者として公式戦に出場する実質のダブルヘッダーで調整するよりも、公式戦の中でライブBPと同じくらいの球数で二刀流を実施した方が、体への負担が減るというわけだ。まずはリハビリを兼ねての二刀流復帰。徐々にイニング数を増やし、当初予定していたオールスター後くらいに先発投手の責任回数に到達するくらいになればというプランなのだろう。
ではその極めて異例の復帰方法で大谷は二刀流スターとして復活できるのか。米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は、「大谷は証明する何かを持ってマウンドに戻る。彼はまだ二刀流のスーパースターになれるのか」とのタイトルを取った記事の中でその見解を伝えている。
同記事は、大谷の代理人であるネズ・バレロ氏が、2年前に2度目の手術が決まった際に、エンゼルスタジアムで取材に応じて「彼は大丈夫だ。必ずこれを記事にしてもらいたい」と語ったシーンを回顧し「そのバレロの言葉が予言的だったのかどうかを見極める時が来た」と、今回の復帰登板を捉えた。
同記事では、負傷者が続出しているチーム事情や、ドジャースが大谷と10年7億ドル(約1013億円)の超大型契約を結んだ裏には「二刀流として貢献する暗黙の期待があった」ことなどを紹介。「健康であれば最高の投手である」とした上で、大谷の2度の手術と、7月5日に31歳となる年齢などを加味し、「どんなにエリートなアスリートでも、病気やその衰弱性の影響と無縁ではない。彼の投手としての将来、ユニコーンの二刀流スーパースターとしての将来は、今危ういところにある」と警鐘を鳴らし、こう問いかけた。
「二刀流の地位を再び獲得するには、1回や2回の好調なスタートを切るだけでは不十分で長期的に力を維持する必要がある。彼の年齢で故障歴のある選手なら誰でもそう言える。彼のユニコーンとしての地位がその要件を免除するものではない。より重要なことは、彼がプレーするために残された何年もの間、どれだけ優れた選手、耐久性のある選手であり続けられるかということだ」
大谷は大きな期待と責任を背負い1年10か月ぶりのマウンドに立つ。