
「見通しは暗い」「ペナルティがなくとも最下位だった」2戦連続最下位に沈んだ角田裕毅が批判の嵐にさらされる…それでも途中解雇の可能性が低いのは“敗戦処理”扱い?!
1、2フィニッシュを飾ったノリスとオスカー・ピアストリ(24、豪州)のマクラーレン勢に続いて、3位にはキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ(37、ドイツ)が入った。2010年にウィリアムズでF1デビューしたベテランのヒュルケンベルグは、通算239回目のスタートとなった決勝で初めて表彰台に立った。
米国のモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』は、19番グリッドから猛烈な追い上げを見せたヒュルケンベルグを「F1史上で最も長く表彰台に上がらなかった、望ましくない記録に終止符を打った」と称賛。今季の全ドライバーのなかで、ヒュルケンベルグの不名誉な記録を角田が引き継いだと伝えた。
「角田は英国GPでキャリア通算99回目の決勝に臨んだが、この間、一度も表彰台に立っていない。まだ表彰台に立っていない今季のドライバー陣の中では角田が最長記録保持者になった。今季第3戦の日本GPを前にしてようやくレッドブルへ昇格し、表彰台を争える、という希望を抱いたはずの角田は、その後は歴代のセカンドドライバーと同様に、適応が難しいとされるレッドブルのマシンに苦労し続けている」
姉妹チームのレーシングブルズから昇格して英国GPで節目の10戦を終えた角田の最高位は第4戦のバーレーンGPでの9位。第7戦のエミリア・ロマーニャGPで10位に入賞したのを最後に5戦連続で入賞及びポイント獲得から遠ざかっている。上位進出を狙う上で重要となる公式予選での3回目(Q3)進出は現時点で2度だけ。第6戦のマイアミGP以来6戦続けて進出できていない。
それでもレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表(51)とモータースポーツアドバイザーを務める重鎮のヘルムート・マルコ氏(82)は、今季中の角田の解雇の可能性を否定している。だが、英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』は、レッドブル上層部のその方針を「角田にとっては決して朗報ではない」と受け止めている。
「シーズンを折り返したこの段階で角田を交代させれば彼の苦境を引き継ぐドライバーの人生を台無しにする可能性が生まれることが新たな問題となる。日本人ドライバーが準備やテストをほとんど経ずにシーズン序盤に昇格したのは決して公平ではなかった。実際に彼は今その不公平な状況に悩まされている。今回の夏休み中に何かがカチッとはまれば彼のキャリアを救う事態が訪れるかもしれない。しかし、現時点ではそれもかなり暗い見通しだと言わざるを得ない」