
「巨人はこのままではBクラスで終わるぞ!」大物OBが阪神と8ゲーム差引き離された古巣に警鐘鳴らす「発奮を促した阿部の退場劇も選手に届いていない」
猛暑の甲子園での阪神との第3戦では、4番の吉川がスタメンを外れ、試合途中に門脇がベンチに下がり、増田陸も終盤に異常を訴えた。暑さが原因のコンディション不良とみられる。
巨人だけではなく他チームでも脱水症状などを訴えて戦列を離れる選手が目立つ状況にある。広岡氏は「こういう厳しい環境だからこそ、体力と集中力のあるチームが有利となる。そこは監督、コーチが鍛えてきたかどうかが試される部分。巨人には体力、集中力が欠けている。だからミスが生まれる」と指摘した。
一方、投手陣に目を向けると、山崎、グリフィンの2本柱は抜群の安定感を誇り、井上、赤星、西舘もゲームを作ることはできているが、あと1枚が足りない。3日の阪神戦で今季初先発の抜擢を受けた横川も5回2失点と踏ん張ったが、やはり現在2軍調整となっている戸郷の不調の影響が大きい。だが、広岡氏は戸郷は再生可能だと見ている。
「戸郷は手投げになりボールが死んでいる。そこを治せるコーチが巨人にはいないのか。チームを立て直すにはやはりコーチなんだ。そしてそれを指導するのが阿部。こういう時にこそ統率力、指導力が試されるんだ」
2日の阪神との第2戦では0-0で迎えた8回のホーム上でのクロスプレーを巡って一度はアウトのジャッジが下されたが、藤川監督がリクエストを求めてリプレー検証の結果、ホームに滑り込んだ森下の神の手が甲斐のタッチをかいくぐってホームベースに先に触っていたため、判定がセーフに覆り決勝点が刻まれて抗議に出た阿部監督が退場処分となった。
広岡氏は「そもそも覆るようなジャッジをしていた審判にも問題はあるが、阿部もつまらん退場になるような抗議をするべきではない。阿部にすれば選手を発奮させる気持ちがあったのかもしれないが、それが選手に届いていないじゃないか。あの阿部の行動を選手だけでなくコーチ陣がどう受け止めたかが問題なんだ」と指摘した。
今日8日からは山形、福島での地方シリーズで中日との2連戦。そして球宴前には東京ドームで前半戦最後の阪神との3連戦が待ち構えている。この苦しい状況をど打乗り越えて反撃態勢を整えるのか。広岡氏が指摘するように巨人は分水嶺に立っている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)