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  • 「“噛ませ(犬)”で呼ばれただけ。しゃあないです」亀田京之介が井上尚弥の12月対戦候補ピカソに一人がドローの0ー2判定負け…WBC指名挑戦者はスキル高いが迫力不足でインパクト残せず
ピカソに0-2判定で敗れた亀田京之介が試合後にコメント(写真提供・TMKジム)
ピカソに0-2判定で敗れた亀田京之介が試合後にコメント(写真提供・TMKジム)

「“噛ませ(犬)”で呼ばれただけ。しゃあないです」亀田京之介が井上尚弥の12月対戦候補ピカソに一人がドローの0ー2判定負け…WBC指名挑戦者はスキル高いが迫力不足でインパクト残せず

 

 8ラウンドを前に史郎トレーナーが、「あと3つや。今からいけよ。仕切り直しや。全部とるつもりでいけ、わかったか?3ラインドだけいけ!負けて帰るんか?」と、怒鳴りつけた。
 亀田はジャブから組み立て直そうとしたが、逆にジワジワとコーナーに押し込められ、右のダブルをもろにに被弾し、その後にラッシュまで仕掛けられる始末。クリーンヒットを何発ももらいながらも、耐え抜いたが、最後までピカソを危機に貶めることはできなかた。
 試合後に亀田は、TMKジムを通じて、ファンや関係者に感謝の気持ちを伝えた上で、「結果ね。僕は“噛ませ(犬)”として呼ばれただけですよ。まあしゃあないです。今後は、色々と考え直して、また何かで(気持ちを)お伝えしようと思っています。今言えることはそれだけ」とのコメントを動画で伝えた。
 ダウンもせず最終ラウンドが終わると珍しくレフェリーが拍手を送るほど最後まで反撃を続ける好ファイトを演じた。
 結果としてピカソとのスキルの差を突きつけられることになったが、亀田の評価は下がらないだろう。ジャイアントキリングを果たすことはできなかったが、またビッグチャンスが巡ってきても不思議ではない。
 ピカソは無敗を守り、“モンスター前哨戦”をクリアした。しかしインパクトは残せなかった。
 単純比較はできないが、井上が昨年5月の東京ドーム決戦で1ラウンドにダウンを奪われながらも、6ラウンドTKO勝利した元2階級級制覇王者の“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)は、2月に亀田と対戦して、2度ダウンを奪い、7ラウンドTKO勝利している。だが、ピカソは、あれだけクリーンヒットを打ち込みながらも亀田からダウンさえ奪えなかった。明らかにパンチ力も迫力も物足りない。
 ディフェンス能力とパンチのスピードと正確性だけでは、井上に対抗することは難しい。井上と亀田ではパンチ力も攻撃バリエーションも天と地ほど違う。この日、見せたディフェンススキルも通用しないだろう。
 ピカソは、当初、5月4日のラスベガスでの井上の第一対戦候補だったが、周囲が恐れをなして「逃げた」といういわくつきの相手。結果その代役となったラモン・カルデナス(米国)が6ラウンドTKO負けを喫したが、2ラウンドにダウンを奪うなど大善戦して米国ファンを喜ばせた。
 井上は、9月16日に名古屋で最強挑戦者のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を迎え討つが、その次にピカソが対戦候補としてあがっていることに対して、こうコメントしていた。
「相手として不足?不足と言われても仕方がないですよ。スーパーバンタム級に残る以上」
 果たしてリヤドシーズンの責任者である総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官は、亀田とピカソの戦いにどんな感想を抱いたのだろうか。

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