
裏目に出たツインズの大谷翔平への申告敬遠策が物議…敵将は「5年か10年に一度の判断」と説明もセオリー無視の作戦に敗戦投手ジャックスは「賛同できなかった」と監督に造反?!
ドジャースが23日(日本時間24日)、本拠地でのツインズ戦で9回二死から逆転サヨナラ勝利した。物議を醸したのは1点を追う二死一塁からツインズのロッコ・バルデッリ監督(43)が第1打席に球団タイ記録となる5試合連続の37号ソロを放っていた大谷翔平(31)を申告敬遠したセオリー無視の戦術。勝負をかけたエステリー・ルイーズ(26)に四球を与え、フレディ・フリーマン(35)にサヨナラヒットを許した。
5試合連続の37号が引き金か?
9回にドラマが待ち受けていた。
2-3で1点を追う9回にツインズはセットアッパーのグリフィン・ジャックスをマウンドに送った。守護神のジョアン・デュランが前日に回跨ぎ登板していたからだろう。ドジャースは簡単に二死を取られた。だが、途中微妙なハーフスイングもあった1番のベッツが三塁内野安打で出塁して、1回に7人目となる球団記録に並ぶ5試合連続の37号本塁打を放っていた大谷に回した。観客は全員立ち上がった。
だが、バルテッリ監督は申告敬遠を選択した。同点の走者ベッツを得点圏に進め、しかも、大谷が逆転の走者。リスクのあるセオリー無視の戦略だったが、バルテッリ監督は8回にテオスカー・ヘルナンデスの代走で途中出場していたルイーズとの勝負を選んだ。
ツインズの地元紙「ミネソタ・スター・トリュビューン」によると、バルデッリ監督は「これはおそらく5年か10年に一度しか起こらないケースで珍しい判断だった。野球界最高の打者が打席に立とうとしている時に同点のランナーが一塁にいた。(次打者は)代走のルイーズで、彼らにはもうそれ以上の手はない状況だった」と説明したという。
ツインズ投手陣はこのカードで3試合連続で本塁打を浴び、前日には9回に守護神のデュランまでがスプリットとシンカーをミックスさせた161キロの“超高速魔球”のスプリンカーをレフトスタンドに運ばれている。
たとえセオリー無視のリスクを冒してでも、大谷よりも、今季メジャー出場はわずか12試合で得点圏打率が.200しかないルイーズとの対戦を選んだのである。
ドジャースタジアムは大ブーイングに包まれた。
その雰囲気に押されたのか、「慎重にいきすぎた」というジャックスは、なんとルイーズに四球を与えて満塁となった。そしてフリーマンの打球はレフト前へ。ハリソン・ベイダーが突っ込んできたがグラブに触れながらも捕球できず、同点の走者ベッツに続いてサヨナラの走者大谷も本塁を駆け抜けた。
中継局のNHKのインタビューによると大谷は「どんな打球でも(バットに)当たったらGO。とにかくホームまで全力でいこうと思っていた」という。
一塁を回ったヒーローのフリーマンは、もみくちゃにされ、ウォーターシャワーを浴び大谷と歓喜のハイタッチ。スポーツネットLAのフィールドインタビューでフリーマンは「どうしても必要な勝利だった」と興奮していた。