
今日ハンガリーGP開幕!「それはまるでお通夜のようだった」前戦で指示ミスにブチ切れた角田裕毅がレッドブルと緊急“和解会談”…「アップグレートされたマシンに戻るのが楽しみ」
F1の今季第14戦となるハンガリーGPが今日1日、ブダペスト郊外のハンガロリンクで開幕する。浮上が期待されるのがレッドブルの角田裕毅(25)だ。前戦のベルギーGP決勝では、昇格後、最高位の7番グリッドでスタートしながらも、タイヤ交換の指示が遅れる陣営のミスで13位に終わり、角田は激怒したが、問題解決のためチームと緊急の“和解会談”を行っていたことを英国メディアが報じた。角田は「マシンがアップグレードされてから状況が前向きに感じられている」と、7戦ぶりの入賞への自信をのぞかせた。
前戦ではタイヤ交換のタイミングを逃す陣営の指示ミスで13位
関係修復へ向けてレッドブル陣営が秘密裏に動いていた。
前戦では、レッドブル昇格後、最高位の7番グリッドからベルギーGP決勝をスタートさせながらもタイヤ交換の指示が遅れる陣営のミスもあって大きく後退。最終的には、13位に終わって激怒していた角田が、レース後にパフォーマンスエンジニアのリチャード・クック、レースエンジニアのリチャード・ウッド両氏と問題解決へ向けての緊急の“和解会談”を行っていたことが明らかになった。
英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』が、日本の専門メディアの報道を引用しながら「その会談の雰囲気はまるで通夜のようだった」と伝えた。
「角田は日曜日のベルギーGP決勝後に海外メディア向けのインタビューに臨んだ後、レッドブルの広報から『ガレージの裏に行ってほしい』と指示された。そこにはパフォーマンスエンジニアのリチャード・クック、レースエンジニアのリチャード・ウッドの2人が待っていた。2人とも緊急会談が始まるまで角田を直視することができなかった。それほどまでに2人は落ち込んでいる様子だった」
大雨の影響で80分間遅れのスタートとなったベルギーGP決勝は、全車が濡れた路面用のインターミディエイトタイヤを装着。天候と路面の両方の回復をにらみながら、乾いた路面用のドライタイヤへの交換が勝負を左右する展開になった。
12周目から他車が続々とタイヤ交換のためにピットインしたなかで、周囲の状況を把握した角田も無線を介して13周目でのタイヤ交換を要望した。しかし、ウッド氏からの最終的な返答が遅れ、慌てて「ボックス、ボックス、ボックス」とピットインが指示されたときには、角田はすでにピットへの入り口を通過していた。
タイヤ交換が1周遅れとなった間に角田はタイムを大幅にロス。最終的にはポイント圏外の13位でチェッカーを受けた責任を、途中から角田と1対1で話し合ったウッド氏が背負っているようだったと同メディアは続けている。
「具体的に何が話し合われていたのかは不明だが、見晴らしのいい場所から会談を目視していたメディアによれば、ウッドが言葉を発し続け、その間、角田は黙って聞いていたという。レース後の角田を追っていたレッドブルのソーシャルメディアスタッフは、重要な話し合いが展開されていることに気がつき、さらにガレージの裏の雰囲気が悪いことも考慮して、すぐに動画の撮影を中止している」
13周目にはエースのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)もタイヤ交換のためにピットインした。しかも最終コーナーより前の地点で「マックス、OK、このラップでボックスだ」と明確な指示を共有。その後も「ルクレールもボックスする」と、4番手のフェルスタッペンが追っていた3番手のフェラーリのシャルル・ルクレール(27、モナコ)に関する情報も送られていた。
7月上旬に電撃解任されたクリスチャン・ホーナー前代表(51、英国)に代わって姉妹チームのレーシングブルズ代表から昇格。ベルギーGPが初陣だったローラン・メキース新代表(48、フランス)は、フェルスタッペンと角田をダブルピットインさせる準備ができていたとレース後に明言。エースを優先させた意図はないとした上で「裕毅への連絡が遅すぎた」と陣営のミスを認め、自ら角田に謝罪する異例の行動を取った。