• HOME
  • 記事
  • 野球
  • なぜ巨人の阿部監督は104球自責1で199目を逃したマー君の次回登板を明言できなかったのか…ヤクルト村上を内角攻めから三振「次回もチャンスを与えるべき」の専門家声も
巨人の田中将大がヤクルト戦に先発して6回途中まで2失点(自責1)の力投を見せるも199目はならず(資料写真・黒田史夫)
巨人の田中将大がヤクルト戦に先発して6回途中まで2失点(自責1)の力投を見せるも199目はならず(資料写真・黒田史夫)

なぜ巨人の阿部監督は104球自責1で199目を逃したマー君の次回登板を明言できなかったのか…ヤクルト村上を内角攻めから三振「次回もチャンスを与えるべき」の専門家声も

 巨人の田中将大(36)が7日、東京ドームのヤクルト戦で約3か月ぶりの先発マウンドに立ち、6回途中3安打2失点(自責1)にまとめた。だが、6回二死一、二塁でバトンを渡した船迫大雅(28)が同点タイムリーを許して日米通算199勝目は手にできなかった。春先よりもストレートに力が戻ってスプリットも生き、次回登板に今季2勝目の期待の持てる投球内容だったが、一方でストライクゾーンで勝負できずにカウント負けする傾向も見られ、首脳陣は次回登板を明言できなかった。なお試合はホセ・オスナ(32)に決勝アーチを浴びて2-3で敗れた。

 勝ち投手の権利を持ち6回二死一、二塁で降板後に悲劇が…

 マー君は「ジキルとハイド」の2つの顔を見せた。
 復調の手応えはアピールした。3回までパーフェクト。2回には村上に対してカウント1-1から2球続けて大胆にインコースを攻めて最後はスプリットで空振りの三振。一転、オスナには、徹底した外角への配球でサードゴロに打ち取る。日米を渡り歩いた男の円熟の職人ワザを披露した。
 ただ、ふた回り目には、ボールを見極められ始めた。カウント2-2から勝負球がボールとなり、二死から内山、村上に連続四球。それでも村上にはストレートがこの日、最速の149キロをマークするなどギアはあげた。オスナに浮いたカットボールをライト前へ運ばれ同点とされるも、それ以上傷口は広げない。
 5回も二死から45歳の石川にヒットを許して満塁のピンチを背負うが、内山をスプリットで空振りの三振に仕留めた。
 バットで執念も見せた。3回には188勝の石川から左中間を破る二塁打を放った。プロ通算5本目のヒット。泉口のタイムリーで先制ホームを踏む。
 5回には増田大の二塁打をきっかけに丸の犠飛で勝ち越し勝利投手の権利を得た。
 だが迎えた6回に不運があった。
 先頭の村上をフルカウントからスプリットでセカンドゴロに打ち取るも、なんのことはない正面のゴロを増田大がファンブル。出塁を許してしまう。それでも田中はオスナ、北村と打ち取り二死までこぎつけたが、長岡に粘られ、四球を与えたところでベンチから阿部監督が出てきた。

 田中は苦笑いを浮かべクビを何度か小刻みに振った。それでも勝利投手の権利を持ったまま1失点の104球でマウンドで降りる田中に巨人ファンから温かい拍手が送られた。田中は帽子の触ってその激励に応えていた。
 だが、マー君に199勝を届けたいとの思いがプレッシャーになったのか。後を受けた船迫が中村に三遊間を破られた。キャベッジの懸命のバックホームはアウトのタイミングに思えたが、岸田がボールをこぼした。
 この瞬間、田中の大記録へ王手をかける1勝が消えてしまった。結局、4番手の田中瑛が8回にオスナに手痛い一発を浴びて、2-3でチームは敗れた。

 

関連記事一覧