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左手を怪我していた東大阪大柏原の主将の竹本歩夢が執念の片手打ちを見せた(写真・スポーツ報知/アフロ)
左手を怪我していた東大阪大柏原の主将の竹本歩夢が執念の片手打ちを見せた(写真・スポーツ報知/アフロ)

「将来を考えて怪我をした球児を出場させてはダメ」「胸を打つキャプテンシー」東大阪大柏原“主将”竹本歩夢の“執念”片手スイングに阪神“鉄人”金本知憲氏を思い出すもSNSやネットで賛否

 SNSやネットでは賛否が飛び交う事態となった。
「本人も監督も1打席、1イニングだけでも試合に出たい、打席に立たせてあげたいという気持ちがあったんだと思う」「彼にとってあの場面で出来る最高のパフォーマンス、最高のプレーだったのかもしれない。大事に至らなければいいけど。そのキャプテンシーは胸を打つものがあった」「外野がとやかく言う話ではない。 本人、監督、チームで決めた事。本人が後悔しないのが一番」など、竹本の意思と土井監督の決断を支持する声がある一方で批判も少なくなかった。
「本人が出ると言って痛くて片手でしかスイングできない選手出したらダメ」「気持ちは分かるが、今回のケースは怖い。万が一バットがスッポ抜けて飛んでいったら? 審判も止めるべきでは?」「ナイターへのシフト、タイブレーク、投手の球数制限など、身体の負担軽減を目指している昨今、武勇伝の様に発言するチームの監督、部長、コーチの見識がおかしい」「将来を考えたら怪我した球児を無理に出場させるべきではなかった」
また大会途中で出場辞退となった広陵高に対する対応の件で、逆風の吹いている日本高野連に向けて「美談でもなんでもない。高野連はなにをやってんだ?怪我や体調不良の選手を出したチームはペナルティを与えるべき」との意見もあった。
 オリックス、巨人でのプロ経験のある土井監督はこうもコメントしている。
「竹本はキャプテンとして、この夏成長してくれたなと思います。勇気を持って『もう限界です』ということも言えました。『絶対無理だけはするな、一人じゃないよ』ということを言ってきたので、最後に勇気を出してキャプテンらしくコミュニケーションを取れました。すごい勇気のある行動やったと思います。最後に一緒にこの夏を終わりたいと思ったので代わってからは(主将の)竹本を伝令に行かせました」
 バントの処理も難なくこなすなど守りの面は支障なく見られた。キャプテンの竹本はチームの精神支柱。夢舞台で生徒を成長させてあげたいとの思いもある土井監督が重要な初戦に強行出場させた気持ちは理解できる。竹本を8番に置いたことでバントのシチュエーションで打席が回ってくれば、問題なくバッターボックスにも立てただろう。だが、あの片手スイングを見た時点で、本人の直訴がなくとも、土井監督は、もう竹本をベンチに下げるべきではなかったか。
 ただ、試合後、勝者の尽誠学園の西村太監督がこんなコメントを残した。
「キャプテンの竹本君が怪我をされていた。そういう思いがすごく我々にも伝わりました。その(竹本の)思いをしっかりと持って選手たちもまた引き続き頑張ってくれると思います。次に向けてまた頑張ります」
 もしかすれば、この言葉が、竹本の片手スイングへの賛否に対する答えなのかもしれない。

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