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代理人のネズ・バレロ氏(左)が水原容疑者に全権を任せていたことを反省してバックアップ体制の見直し方針を固めた(写真:ZUMA Press/アフロ)
代理人のネズ・バレロ氏(左)が水原容疑者に全権を任せていたことを反省してバックアップ体制の見直し方針を固めた(写真:ZUMA Press/アフロ)

「水原容疑者に究極の権利を与えていた」管理責任を問われている大谷翔平の代理人事務所CAAがバックアップ体制を見直しへ…米経済紙報道

 ドジャースの大谷翔平(29)の代理人事務所であるCAAがバックアップ体制を再構築する方針であることが明らかになった。米経済紙のウォールストリートジャーナルが17日までに伝えたもの。CAAは大谷に銀行口座の管理を含めた包括的なサポート体制を組むことを約束していたが機能しなかった。大谷は元専属通訳だった水原一平容疑者(39)に1600万ドル(約24億5000万円)以上の大金を口座から無断で騙し盗られた。巧妙な手口で代理人事務所も騙されていたが、他に日本語のできるスタッフを置かず、大谷との連絡などのすべてを水原容疑者に丸投げをしており、資産管理などが杜撰だった代理人の管理責任を問われていた。

 簿記担当、財務マネージャーをつける

 「ノーモア!イッペイスキャンダル!」
 ロスに本拠地を置く大手エージェント「CCA」が最大の顧客である大谷のバックアップ体制を見直すことになった。
 米経済紙「ウオールストリートジャーナル」が伝えたもので、CAAは大谷に「簿記担当、財務マネージャー、会計士、彼のパーソナルブランドのスポーツマーケティングの専門家、そして『大谷の革新的な才能を生かすための素晴らしい契約を(球団と)交渉する』リードエージェントを含む包括的なサポートネットワークの構築を約束していた」が結果的に機能しなかった。
 同紙によると、当初CAAは「大谷を完全に自由にしておく」という発想でそこまでガシガシの管理はしていなかった。
「CAAが予想できなかったのは、組織がたったひとりの人間によっていかに簡単に危険にさらされるかということだ。最大の弱点は大谷の長年の通訳だった」と指摘。
 水原容疑者に「大谷の世界で究極の権力が与えられていた」という。
 大谷のチームメイト、コーチ、メディアとの連絡役であっただけでなく、CAAとの間を取り持つスポークスマンでもあった。
 大谷も「水原氏を信じていたのは僕だけではなかった」と語り、連邦捜査当局が水原容疑者を訴追した際の訴状によると、「大谷を担当する主席エージェントであるネズ・バレロ氏は、(大谷と)直接話したり、(大谷と)定期的にテキストメッセージの交換をしたりはしていなかった。その代わり水原氏を通じて(大谷に)メッセージを伝えていた」という。バレロ氏も水原容疑者を全面的に信頼して、大谷との連絡は、すべて同容疑者を通じて行われていたのだ。
 大谷は3月25日の記者会見で、代理人事務所との連絡もすべて水原容疑者経由で行われ、米メディアから大谷の口座から違法なブックメーカーへ450万ドル(約6億8000万円)が送金されているとの情報についての取材申し入れがあったことも隠蔽され聞かされていなかったと明かした。
 CAAが、水原容疑者以外に日本語のできるスタッフを用意せず、大谷のすべての対応を同容疑者に一任していたことへの批判も聞かれた。10年7億ドル(約1083億円)の年俸にスポンサーフィーを含めると、さらに莫大なお金が動く最大の顧客に対して、ダブルチェック体制もなく、すべてが水原容疑者経由で彼が犯した約3年間の悪事を見逃してきた原因は、あまりにも杜撰なCAAの管理体制にあったのではないかという批判の声だ。今回、CAAが大谷のバックアップ体制を見直すのも当然だろう。
 また連邦捜査当局の訴状によると大谷の資産管理についてはCAAではなく、別の会計士と金融の専門家に委託されていた。その“金融部隊”が、年俸の振り込まれている口座の税務や贈与の問題が発生していないかを確認するため、大谷の口座にアクセスしたいことを水原容疑者に申し出たが、同容疑者は、「大谷が非公開を希望している」と、また嘘を並べて、それを拒否。約3年間にわたって不正な送金を続けてきたことが発覚することを回避している。

 

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