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巨人のライデル・マルティネスが最速記録で通算200セーブを達成(文責・スポーツ報知/アフロ)
巨人のライデル・マルティネスが最速記録で通算200セーブを達成(文責・スポーツ報知/アフロ)

どこまでのぼりつめる?!最速記録で通算200セーブ達成のマルティネスに巨人がつぎ込んだ金額は4年総額60億円以上だった…2017年は中日と年俸1000万円で育成契約

 インタビュー途中で絶句したのは中日からの道のりを振り返った時だ。
「ここにたどり着くまで手を抜くことなくしっかり練習してきた結果…」
 2017年に中日と育成契約を交わして来日したマルティネスの背番号は「211」で年俸は1000万円。2018年に支配下登録され、2020年に年俸が2年1億2000万円となり、2年連続で20セーブ以上をマークして、2022年から3年6億円で契約を結び直した。そしてその複数年契約が切れる昨年オフに大争奪戦が起きた。中日は、引き止めに4年40億円の破格のオファー。だが、巨人のオファーはその条件を大きく上回った。
 フランシスコ・ロメロ記者は、1年あたり812万5000ドル(約12億3500万円)で、4年総額3250万ドル(約49億4000万円)であることを伝えたが、キューバ情報に詳しい関係者によると、巨人がつぎ込んだのは4年総額60億円以上だったという。
「1億、2億の違いであれば、安定した生活基盤があり、本人が気に入っている中日残留を選択したでしょう。ライデルが巨人を選んだ理由は、優勝争いのできるチームであるという新たなモチベーションと、中日の情が通じないほどの条件だったと思う。総額60億円は超えている」
 シンデレラボーイ物語だ。
 実は、キューバ選手との契約にはキューバ政府へ支払う譲渡金が発生する。これまでは、球団と選手の間で合意した年俸から、キューバ政府、野球連盟が10%とも、20%とも言われる譲渡金を差し引いていた。だが、これに関しても選手の側からキューバ政府への不満が爆発した。このスタイルを放置しておけば、大量亡命の引き金にもなりかねないため、キューバ政府、野球連盟は、NPBの各球団に、本人と合意した年俸とは別に年俸総額の10%から20%の譲渡金をキューバに支払う新ルールを通達した。メジャーとNPBが結んでいるポスティングシステムに類似している。
 今回のマルティネスの年俸が、ロメロ記者の報じた通りに、約49億4000万円だったとしても、そこにプラスして、譲渡金のパーセンテージが20%だと想定すれば、さらに10億円ほどをキューバ政府に支払わねばならない。つまりマルティネス獲得のために巨人は総額で60億円以上の資金を投資したのである。
 もちろんマルティネスの200セーブは通過点でしかない。
 契約は今年の残り試合プラス3年が残っている。
「残りまだシーズンありますからしっかりチームが勝てるようにまた積み重ねていきたい」
 マルティネスはヒーローインタビューをそんな言葉で締めくくっている。

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