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井上尚弥と対戦予定だったWBA世界フェザー級王者ニック・ボールとサム・グッドマンの世界戦はボールの判定勝利(写真・ロイター/アフロ)
井上尚弥と対戦予定だったWBA世界フェザー級王者ニック・ボールとサム・グッドマンの世界戦はボールの判定勝利(写真・ロイター/アフロ)

なんだ?それ!井上尚弥と対戦予定だった2人の激突はWBAフェザー級王者ボールがグッドマンに3-0判定勝利も見せ場なき“塩試合”…モンスターのライバルとして存在感を示すことできず

 ボールは当初、12月27日にサウジアラビアでフェザー級初挑戦となる井上の挑戦を受ける予定だった。それを想定して3月の前戦では、井上にギブアップしていた元IBF世界スーパーバンタム級王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)と3月に対戦して10回終了TKO勝利していた。
 だが、井上が来年5月にWBC&IBFバンタム級王者の中谷潤人(M.T)との東京ドーム決戦を控えており、そこで再びスーパーバンタム級に落とす行為には無理があるためフェザー級転級を先送りにし、ボール戦は白紙になっていた。

代わりに対戦候補として最有力なのはWBC世界スーパーバンタム級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)。彼もまた亀田京之介(TMK)に大善戦を許して評価を落としている。

 試合後にリング上でボールは「井上尚弥」の名前も出されて今後のプランについて聞かれた。
「僕はただ戦い続け、これまでやってきたことをさらに向上させたいだけだ。その辺りのことは担当(クインズベリープロモーションのフランク・ウォーレン代表)がいるので彼らと話すのが一番だ。僕自身は、ただ戦いに集中して、自分を磨くことに専念している。もちろんビッグネームと対戦してタイトル戦(統一戦)に挑むことが目標。それが一番大事なことだ」
 ボールは井上の名前を出さずフェザー級のベルトを統一することへ強い意思を示した。
 現在、WBOがラファエル・エスピノサ(メキシコ)で、IBFが亀田和毅(TMK)を相手に初防衛に成功したアンジェロ・レオ(米国)、そしてWBCがスーパーバンタム級の2団体王者時代に井上に倒されたスティーブン・フルトン(米国)、暫定王者のブルース・キャリントン(米国)、休養王者のレイ・バルガス(メキシコ)と乱立している。
 井上は、中谷とのビッグマッチ後にフェザー級へ転級する予定で、モンスターを待ち受けるフェザー級王者の中でのサバイバル及び統一戦が勃発することは間違いない。
 また敗れたグッドマンは善戦したことで評価は下がらなかった。
「リヤドシーズン」の責任者であるサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官は自身のXで、「サム・グッドマンはニック・ボールとの試合で素晴らしいパフォーマンスを見せた。彼は多くのスキルを示しラウンドは接戦だった。今後のリヤド・シーズンやリング・マガジンのカードで彼をもっと見たい」と、今後も起用していく方針を明かした。
 ただボールを空回りはさせたが、ボディ以外の決め手に欠いたグッドマンもまたモンスターの敵ではない。井上のライバルとされた2人の対戦は、モンスターの存在を改めて際立たせたに過ぎない。井上は9月14日に名古屋でWBA世界スーパーバンタム級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦を控えている。

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