
角田裕毅の来季レッドブル残留に新たなライバルが出現?!英専門メディアがセカンドシート候補にマクラーレンのリザーブ兼テストドライバーのダンが急浮上と報道
ハジャーの快進撃が止まったことも影響している可能性がある。
第8戦のモナコGPで自己最高の6位に入賞したハジャーは、第9戦のスペインGPまでに5回入賞して計21ポイントを獲得した。しかし、直近の5戦における入賞は10位で1ポイントを獲得した第13戦のベルギーGPだけとなっている。
前出の『F1 OVERSTEER』は「アイザック・ハジャーが抱くレッドブル昇格に対する懸念」と言及。レッドブルへの昇格を打診されれば「もちろん応じたい」としたハジャーは、こう続けた。
「準備ができていない状況を考えれば、怖さも少し感じている」
怖い物なしで走ってきた序盤戦から一転して大物ルーキーとして注目される状況にプレッシャーを感じ始めた。そこへ角田だけでなく、4年連続でドライバーズ王者を獲得しているエース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)までもが苦戦するレッドブルのマシンへ抱く不安もハジャーのコメントから伝わってくる。
フェルスタッペンが来季の残留を表明したなかで、レッドブルのもうひとつのシートに関して、モータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)は、「私たちのドライバーへの評価は、伝統的にサマーブレイク後に行われる。現時点ではすべてがオープンだ」との従来の方針を崩していない。
角田は今季第3戦の日本GP直前に不振のリアム・ローソン(23、ニュージーランド)と入れ替わってレッドブルへ昇格した。しかし、12戦を終えた段階の最高位は第4戦のバーレーンGPの9位。他には第6戦のマイアミGP、第7戦のエミリアロ・マーニャGPで10位に入っただけで獲得ポイントもわずか7にとどまっている。
特にモナコGP以降は7戦連続で入賞及び獲得ポイントがなく、オーストリアGP、英国GPでは完走車中でともに最下位に終わった。今季限りの退団だけでなく途中解雇の可能性も幾度となく報じられてきた。
マルコ氏は角田の残留ではなくハジャーを昇格させる考えだとされている。
一方で解任されたクリスチャン・ホーナー氏(51、英国)に代わり、7月から新代表を務めるローラン・メキース氏(48、フランス)は、「裕毅がスピードを取り戻すために努力する」と今季の残り10戦での目標を掲げ、角田の来季残留を支持している。しかしレーシングブルズ代表時代から角田へ信頼を寄せるメキース氏の言葉も来季残留を保証するものではない。
その状況の中でサマーブレイクが残り1週間となった段階で新たな後任候補のライバルとしてダンが加わった。角田の置かれた状況は厳しい。果たしてレッドブルは来季陣容で最終的にどのような判断を下すのか。とにかく角田は、自らの来季のF1シートを確保するためにも結果を残すしかない。オランダGPは29日に開幕する。